八王子の食とアートをテーマとしたイベント「FARMART(ファーマート) vol.13 『農』を、掘る。」が11月9日、東京都立小宮公園(八王子市暁町2)で行われる。
八王子市をはじめ、小宮公園に隣接する低山「ひよどり山」にある農地の活性化に取り組む「ひよどり山農地活性化協議会」が主催する。2014(平成26)年から八王子のさまざまな場所でマルシェ形式の催事「ファーマート」を行っている「ファーマート実行委員会」、小宮公園の指定管理者「多摩部の公園パートナーズ」、空きテナントを使ったアーティストの作品展開催や常設のアートギャラリー、アーティスト・イン・レジデンスの運営などに取り組むNPO法人「AKITEN」(千人町2)が協力する。「FARMART」の開催は3月以来で、同所で行うのは今回が初めて。
「『農』を、掘る。」がテーマの今回は、八王子の中心市街近くにある、ひよどり山の農地の魅力を知ってもらうのが狙い。会場ではマルシェ形式のイベントを開催する。
当日は、アトリエショップ「SEWOUR(ソウアワー)」(高尾町)のファッションブランド「NEW WAY, NEW LIFE」、ガラス作品を手がける「いとうまゆ」さんによる「まさき硝子」、八王子出身の陶器作家・かとうようこさん、障害者福祉施設の利用者が描いた絵を商業デザインに採用する「にぎわい空間作家」デザイナーのYORIKOさんらが手がける「想造楽工(そうぞうがっこう)」などが出店する。
八王子のイラストレーター・Yamamoto Harucaさんが手がける、お守りを手作りできるキット「てまもり」は、今回のイベントのテーマに合わせて、織物による布地に野菜のデザインを取り入れた新商品を用意する。
フードは、ネパールカレー店「奈央屋」、居酒屋「クジラ商店」、カフェ「LAMP COFFEE」「高尾ビール」「ブーランジェリー サルドゥバン」などが出店する。アメリカ出身のパーカッショニストで、八王子在住のクリストファー・ハーディさんによるライブや、東京都が都内で就農を目指す人向けに設けている「東京農業アカデミー 八王子研修農場」(大谷町)の研修生や卒業生による野菜販売を行う。小宮公園のパークレンジャーによる生き物などの紹介ブースも設ける。
会場外では、ひよどり山の農地で、八王子市出身の美術家・飯野哲心さんが子どもたちと作った「かかし」を飾るアート企画、小宮公園近くの「ひよどり山ファームパーク」で、野菜収穫体験イベントを行う。
イベント運営に携わる「AKITEN」代表理事の及川賢一さんは「まずはひよどり山の魅力を知ってもらうために足を運んでもらいたくて、今回、『ファーマート』を開催する。小宮公園は東京都有数の自然豊かな公園。その近くにこんなに広い農地があると知ってもらい、シェアしてもらいたい。これをきっかけに加工品の開発や農業体験会の開催などを通して、ひよどり山に関係する人口を増やしていけたら」と話す。
「ファーマート」の運営に携わる「MODESTE」(元横山町3)店主の望月成一さんは「小宮公園に数年前に初めて行った時、こんなロケーションの場所があるんだと驚いた。何かこの場所でできないかとも思った。今回、イベントができることになり楽しみにしている。長く滞在してもらって、場所の良さも含めて楽しんでもらいたい」と話す。
「ひよどり山農地活性化協議会」代表で、八王子で新規就農をしてから約10年になるという「アンドファームユギ」(堀之内)社長の大神辰裕さんは「ひよどり山に農地があることは僕は財産だと思っている。周りに家がないため見晴らしがよく、市街地でこんな風景が残っているところはない。後の世代に残していかないといけないのでは。この場所があること自体が八王子の魅力。みんなの生活の中に農が入ってくれば心の中も豊かになる。そういうことができる環境が八王子にはある」と話す。
開催時間は10時30分~15時。雨天時は11月16日に開催する。