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京王電鉄、63年前に製作した記録映画を公開 八王子や都心の街並みを記録

ユーチューブに公開された「伸びゆくわれらグループ」(画像提供=京王電鉄)

ユーチューブに公開された「伸びゆくわれらグループ」(画像提供=京王電鉄)

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 京王電鉄が1月1日、1963(昭和38)年に製作した記録映画「伸びゆくわれらグループ」を同社公式ユーチューブチャンネルに公開した。

京王線の終点だった東八王子駅の看板

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 「京王帝都電鉄」の創業50周年を記念して製作した同作品。鉄道事業をはじめとした当時のグループ企業の事業を紹介しており、収録時間は約42分。今回はデジタルリマスタリングなどを行った上で動画を公開した。

 映像の中には、国鉄(現JR)八王子駅や高尾山、街中を走るボンネットバスなど八王子周辺が随所に登場する。遊園地やスーパー、レストラン店内、淀橋浄水場などが残る開発前の新宿、多摩丘陵など当時の東京都心や多摩地域の街並みや人々の暮らし、世俗を垣間見ることもできる。

 鉄道事業については、車両製作、線路工事、1963(昭和38)年8月に営業運転を開始した5000系車両の走行シーンなどを紹介。京王線の西側の終点だった「東八王子駅」を現在の「京王八王子駅」へと移転・改称する計画や、北野~高尾山口間の「高尾線」、高幡不動~多摩動物公園間の「動物園線」の建設計画などにも触れる。

 聖蹟桜ヶ丘駅周辺にある「京王桜ヶ丘住宅」の土地開発、1963(昭和38)年7月に小金井市に1号店を出店したスーパーマーケット「京王ストア」、新宿駅近くに1964(昭和39)年開業の京王百貨店の出店計画、ガス供給や映画産業など当時手がけていた事業も紹介する。

 同チャンネルでは、同社が過去に製作した映像作品をアーカイブとして公開している。今回の作品については昨夏、同チャンネルで紹介する作品を探す過程で、映像を記録したVHSのビデオテープが偶然見つかったという。このため、本動画は「現役の京王電鉄の社員でも99.99%がその存在を知らなかった」と紹介する。

 同チャンネルの運営に携わる京王電鉄の広報担当者は「社史にも記録がなく、この映画があること自体、誰も知らなかった。見たことのない映像だらけだったし、この内容は良いと思った。当時は翌年に東京オリンピックの開催を控え、希望にあふれた時代。『伸びゆく』というタイトルの通り、事業が拡大し街ができていく前向きなマインドと希望にあふれた作品だった」と話す。

 「元の映像は経年劣化が激しかったため、専門業者に復元を依頼した」とも。BGMは著作権上の問題があったことから、ナレーションと共に再収録し当時の雰囲気を再現する形で復元した。

 同社広報担当者は「希望にあふれる感じを表現したかったので、元日に公開しようと思い昨秋から作業を進めた。ナレーションは硬い感じのしゃべりができる人を選び収録した。新しいBGMは音がきれいすぎて雰囲気が壊れてしまうので、当時の空気感を出すためにあえて音質を悪くした」と説明する。

 動画公開について、同社広報担当者は「鉄道会社は空気のような存在で、あって当たり前と思われている。そのため、ユーチューブは皆さんに面白い鉄道会社があると知ってもらえたらとの思いから配信している。この映像は出すことに価値があると思ったし、公開し社会の共有財産とすることで、私たちが知らない情報が視聴者から寄せられ、新たな価値が生まれると思った」と話す。

 「古い社内資料を見直すきっかけにもなった。捨ててしまったら何も残らないので、アーカイブを残す重要性にも気付かされた。映像があると全然違う。当時、記録を残す努力をしてくれた方には本当に感謝しかない。記録を残す思いは引き継がなければならない」とも。

 「あくまで京王電鉄の視点になるが、高度経済成長期の中の東京が語られており、歴史的・資料的価値もあると思う。皆さんに見ていただければ」と同社広報担当者。

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