小型家電から希少金属(レアメタル)を取り出し再活用する国のモデル事業が11月15日、八王子をはじめとする全国各地で始まった。
電化製品の中には基盤などでコバルトやニッケル、金など希少な金属が多く使われている。テレビやエアコン、冷蔵庫などの家電については2001年から、特定家庭用機器再商品化(家電リサイクル)法に基づいてリサイクルが実施されているが、携帯電話やゲーム機、ビデオカメラなど、小型家電についてはリサイクルの流れが確立されておらず、貴重な資源がゴミとして処理されてしまっている問題がある。
そこで、環境省と経済産業省は昨年度から、小型家電を回収し、その中からレアメタルを取り出すモデル事業を立ち上げた。昨年は秋田、茨城、福岡の3県で実施。今年はさらに八王子をはじめとする全国4都府県6市区でもモデル事業を行うことになった。
都内で行うのは八王子市と江東区の2地域。八王子は「大都市圏であり、人口の若年層割合が高い地域」として選ばれた。「『21の大学がある学園都市』『町会・自治会の組織率の高さ』などの地域の特性を生かした取り組みを実施する」と市ゴミ減量対策課の担当者。
回収するのは幅25センチ、高さ15センチ以下の家電。携帯電話やデジタルカメラ、電子辞書や電卓、カーナビなどを回収対象として見込む。市役所、清掃工場、中央図書館などの公共施設や駅、大学、スーパーマーケットなどに置く「ボックス回収」に加え、「集団回収」やイベントに合わせて回収を行う「イベント回収」の3つを準備。すでに市内の大学で行われた学園祭の際にブースを設けるなど、回収活動を行ってきた。今月15日からはさらに市内51カ所で「ボックス回収」を開始したほか、イベント回収としては、21日・22日に実施する「八王子いちょう祭り」でも回収を行うという。
回収は来年2月28日まで。