多摩市の複合文化施設・パルテノン多摩（多摩市落合）など多摩センターの3カ所で11月21日から、映画祭「TAMA CINEMA FORUM（多摩シネマフォーラム）」が開催される。

　同映画祭は199年に市政20周年記念事業として始まり、今回で19回目。TAMA映画フォーラム実行委員会が主催する。「映画を媒体とした『市民の広場』を目指して始められた」と同実行委員会の加藤さん。2000年までは映画評論家のおすぎさんを名誉委員長に迎え、推薦映画の上映会やトークイベントなどを実施。これらの取り組みが功を奏し、開始当初5,000人程度だった観客数も「昨年度は1万7,000人に増えた」という。

　戦後直後のコメディーから「少年メリケンサック」「色即ぜねれいしょん」などの今年の話題作、「トランスフォーマー」をはじめとした海外作品など、期間中に約70本を市内の4つの会場で上映。作品は実行委員が自ら選んだ。「実行委員が『上映したい！』という思いで出来上がっているので、多種多様のプログラムが映画祭で上映される」と加藤さん。「一つひとつの企画を厳選し、厳しい社会状況の中、より多くの人により良い条件で映画を楽しんでいただけるよう心がけている」。

　併せて、「ブラボー国際映画祭」、映画「腐女子彼女。」や「非女子図鑑」といった「女子」をテーマにした作品を集めた「女子！女子！女子！」、これから公開される作品の先行プレビューを行う「ニュースター・シネマ・コレクション」など数多くのイベントを実施。タレントのガレッジセールの2人を迎えて行う「沖縄国際映画祭プレゼンツ」などのトーク&ライブイベントも。

　29日にはパルテノン多摩小ホールで今年亡くなった忌野清志郎さんをテーマにしたイベント「君が清志郎を知っている」も予定。「企画者が清志郎の大ファンであることからの発案」と加藤さん。もともと、2005年に俳優の竹中直人さんが監督した映画「U2」を上映することになった際、出演した忌野さんに来てもらおうという企画があったがかなわなかったという。「ずっと抱き続けていた『いつかお呼びしたい』という思いと、今までもらったものすべてに感謝したいという思いがこの企画の原動力になった」。

　イベントでは「U2」のほか、竹中さんが監督し、忌野さんが出演と歌を担当した「サヨナラCOLOR」などの作品も上映。竹中さんやミュージシャンの高野寛さんによるトークイベントも実施する。「清志郎の夢を忘れない前向きさ、ソウルを伝え残していきたい」と加藤さん。

　今年から「TAMA映画賞」を新設。「日本で最も早い映画賞」を合い言葉に作品、監督、俳優を映画ファンの立場から表彰し、作品を上映する。対象となるのは昨年10月～今年9月に公開された作品。最優秀新進監督賞、最優秀作品賞など4部門に加え、特別賞も用意し、第1回の特別賞には女優の八千草薫さんを選んだ。表彰式は今月28日、パルテノン多摩小ホールで行う。

　会期は今月29日まで。