「日本の滝百選」にも選ばれている「払沢(ほっさわ)の滝」(西多摩郡檜原村本宿)で1月14日ごろから、滝を流れる水が凍る「結氷」が進んでいる。
檜原村は尾根筋に囲まれていることから、「天狗滝」「九頭龍の滝」「龍神の滝」など数多くの滝がある。中でも同滝は北秋川の支流である「セド沢」にかかり、全4段、約60メートルの落差を誇るもの。滝つぼには大蛇がすんでいると伝えられるなどの逸話も残されており、1990年には「日本の滝百選」に都内で唯一選定された。ライブカメラを設置し、その様子はネットでを通して配信しているほか、夏には滝をライトアップする「滝祭り」を実施するなど、村の観光資源の一つになっている。
厳冬期には美しく結氷することで知られており、1986(昭和61)年ごろからは「氷瀑クイズ」と称して、1月1日~2月28日にその年の最大結氷がいつ起こるかを予想するクイズも実施。「滝周辺の地域の若者が地域活性化、地域おこし事業として始めた」と檜原村観光協会の鈴木さん。今季は約6,000通の応募が寄せられたという。
滝を流れる水がすべて凍ってしまう「全面結氷」が起こったのは、ここ10年では2006年のみ。昨年は全体の約50%ほどの結氷で終わった。今季については「一昨年、昨年と比較して結氷率は高くなっている」と鈴木さん。中でも、日本列島を強い寒気が覆った今月14日には一気に30%まで結氷が進み、17日には75%を記録。既に昨年を上回る勢いになっているという。
滝の周辺では今月31日、郷土料理店「四季の里」(本宿)駐車場でイベントを実施。訪れた観光客などを対象に甘酒の提供や足湯のサービスなどを行う予定。開催時間は11時~15時。