PowerWave(パワーウェーブ、八王子市上柚木2)は2月3日、イヤホンコードを簡単に収納する商品「CodeSmart Bb」(コードスマート・ビービー)を発表した。
同社は2007年設立。ITシステムのコンサルテーションなどを行いながら、密閉したガラス管に液体を入れ、その中の結晶の様子を見ることで天候を予測する「天気管」の企画・開発・販売なども行っている。
今回発表した同商品はアルファベットの「B」の形をした本体の中にイヤホンを入れ、コードを本体に巻き付けて収納するもの。本革製のもののほか、今月21日からは塩化ビニール製のものも発売。サイズは本革製のもので縦=約80ミリ、横=約45ミリ、厚さ=25ミリ。重さは約21グラム。
「iPodの出現で、通勤中に音楽を聴いたり、ポッドキャストを利用する事が多くなってきていた」と同社社長の大岡歩夢さん。「コードを出したり、あるいは収納する際に、絡まったりするコードの煩雑さや不便さが開発の背景」。すでに他社からコードを巻き付ける道具は発売されているが、「なかなか満足いくようなものがなかったので、それなら、そこにはどのような理想型があるのか?というのがスタートとなった」という。
イヤホン本体を保護しながら、美しい形にすることにこだわった。開発は試行錯誤の連続だったという。「iPodのユーザーインターフェースに衝撃を受けた事が発端。試作過程でそのモデルの善しあしを判断する価値基準に置いたものは、『簡単に・便利で・美しく』だった」。このこだわりの3点はそのまま、商品の売りになっているという。「簡単で便利であっても、美しなければ試作段階で断念した」。
企画を立ち上げたのは2002年。本業の傍ら、一から作り上げ販売するまでには長い時間がかかった。「もの作りは素人だった。量産化工程で試作と量産の違いもハードルとしてあった」。今回はボタンホック部分で有名ブランドの金具なども手がける宮田金属工業(台東区)が協力。量産化対策や改良など、いくつかの壁を乗り越えて、ようやく販売にこぎ着けた。
「商品の企画製作に注力したい」と「Amazon.co.jp」のみで販売する。「わたしの父と二人三脚でやってきた。世界を見渡すと、もの作りの潮流は大量生産大量消費から少量多品種、エコロジーなど、いろいろと変わってきている。わたしのような素人がたった2人で製造業を立ち上げる。そんな事が成功したら閉塞(へいそく)感のある日本の製造業に面白い一石を投じられるのでは」とも。
価格は本革製のもので4,580円。