東京造形大学(八王子市宇津貫町)出身のアーティストなどが参加するアートスタジオ「pimp studio」(北野町)が4月から活動を開始した。
今年3月に同大学大学院を修了した4人と現在、武蔵野美術大学大学院に通う学生が今後の活動拠点として立ち上げた同スタジオ。「大学、大学院と主に彫刻作品を制作し、展示会などで発表してきた」と所属メンバーの山田さん。本業の傍、これからも制作活動を続ける場所としてスタジオ開設を決意。「近くに制作場所を確保し、創作活動を続けていきたいというメンバーが集まった」
スタジオは自動車工場の跡地で床面積230平方メートル、天井高6メートルと空間が広いのが特徴。「多くの人を制作現場に呼び込み、新しいつながりに発展させること」をコンセプトに、ユニットや団体、企業という形ではなく、メンバーとなって月に2万円ずつを支払うことで空間をシェアする。
制作の際にはチェーンソーや溶接、グラインダーなどの工具や塗装を行うため、物件探しは困難を極めたという。今年2月ごろから八王子を中心に探し始めたものの、「山奥で交通が不便だったり、住宅街で電動工具の騒音や有機溶剤の臭いなどを出せなかったり、単純に家賃が高かったりと、条件に合うものはなかった」と山田さん。不動産業者から薦められたというこの工場跡も当初は家賃面でちゅうちょしたという。「オーナーに私たちのやりたいこと、経済状況などを説明しお願いしたところ、とても理解のある方で安く貸していただけることになった」
スタジオは京王線・北野駅から徒歩15分の距離。国道16号沿いで周囲には工場が多く立ち並ぶが、「駅から歩ける立地で味のある建物なので、制作スペース以外にも展示スペース、パーティースペースとしても面白い使い方ができる」。5月3日から、メンバーとアーティスト7人が参加して行われたオープニングイベントでは、DJによるイベントや壁面を使った大型作品の展示などを行った。
メンバーはいつでも好きな時にスタジオ内の作業スペースを利用することが可能。代表を務める野上さんは「今は5人だが、メンバーを10人くらいにしてやっていければ」と話す。