あきる野市は6月15日、今年4月に一般から募集したトウキョウサンショウウオのイメージキャラクターと愛称を「森っこサンちゃん」に決定したと発表した。
トウキョウサンショウウオは日本固有種で、1931(昭和6)年に当時の東京都西多摩郡多西村(現在のあきる野市)で発見。丘陵の森林や水田に生息しており、体長は7~12センチ。茶色で目が大きく、胴が長いことが特徴。
1970年代までは東京郊外でも確認されていたが、現在、都内では八王子市、あきる野市、青梅市など7市2町のみに分布。環境省の「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータブック)」では絶滅の危険が増大している種を意味する「絶滅危惧II類」に分類されている。
市では昨年3月に「郷土の恵みの森構想」を策定。将来を見据えた森作りを市民と協働で進めていくことにしている。「トウキョウサンショウウオを自然環境保全活動の象徴として位置付け、『郷土の恵みの森づくり』を推進する」と同市。これを受け、4月中旬からイメージキャラクターと愛称を募集していた。
約1カ月の間にキャラクターには23点、愛称には29点の応募が寄せられた。今回、イメージキャラクターには北海道江別市在住の八谷早希子さんの作品を、愛称には市内在住の2人の子どもの作品をそれぞれ選出。「子どもからお年寄りまで親しみをもってもらえるもの」として、「森っこサンちゃん」と名付けられた2組のキャラクターはそれぞれトウキョウサンショウウオがモチーフ。草の冠を頭に付け、体には河川をイメージしたラインが入れられるなど環境保全活動の象徴も数多く描かれた。
市では今後、「郷土の恵みの森づくり」のイメージキャラクターとして広報活動などの際に利用していく予定。