東京造形大学(八王子市宇津貫町)「春日ゼミ」の学生による展覧会「キッズサイズデザイン展」が8月25日より、吉祥寺のギャラリー「リベストギャラリー 創」(武蔵野市)で行われる。
ゼミを指導する同大教授の春日明夫さんは「子どもの視点」から玩具などのデザインを考える「キッズサイズ・デザイン」が専門。ゼミには専攻を越えてさまざまな分野の学生が集まる。今春にはゼミのメンバーで同大学デザイン学科4年の中村菜々子さんがデザインした子ども向け椅子を東日本大震災の被災地に届けるプロジェクトも進められた。
年1回開催する同展。「毎年欠かさず11年間続けて開催してきた伝統あるゼミの学外展」と春日さん。「一般の固定客が会を重ねるごとに増え、毎年楽しみにしている方々も多くいる」とも。研究対象の変化などに伴い、今年からテーマを設定。学生が出し合い、投票で今回は「マジカルサーカス」に決めた。「『魔法のような不思議さ』と『サーカスのようなわくわく・どきどき』するような展示という意味。ゼミ展の案内状や会場ディスプレーなどもテーマに沿ったトータルデザインにする」とも。
今回は学部生22人、大学院生4人が参加。会期中、玩具や遊具、絵本、インテリアなどの作品約45点を展示するほか、マリオネットを使った人形劇も上演する。学生たちが作った作品はその場で手に取ったり遊べるほか、玩具や雑貨の物販コーナーも用意する。
「今年は大学の節電対策が厳しく、学生の制作にも大きな影響がある」と春日さん。教室の利用制限に加え、工具やパソコンの使用にも制限がかかっているが、「それでも11年間の伝統あるゼミ展を自分たちの代で断ち切ってはならないという責任感と、学内で最も意欲的に活動している春日ゼミ所属というプライドから学生同士が工夫し、助け合って頑張っている」と話す。「『子どもたちの立場や思いを大切にし、子どもたちの幸せのために適切なデザインや造形を提案する』のが目標。この目標を達成するために夏休み返上で猛暑と戦いながら頑張っている」とも。
開催時間は12時~18時(最終日は17時まで)。入場無料。今月31日まで。