陵南会館跡地(八王子市東浅川町)で10月16日、秋恒例の「ギンナン拾い」が行われる。
道路の維持管理を担当する国土交通省関東地方整備局相武国道事務所が毎年行っている同イベント。1994年から毎年秋に行われており、今年で18回目。
市内を通る甲州街道の中でも「高尾駅前交差点」~「追分交差点」間の約4キロは1929(昭和4)年、大正天皇の多摩御陵完成に伴って宮内庁がイチョウを植樹。約770本のイチョウが植えられており、並木全体が市の天然記念物に指定されている。これまでは道路上にブルーシートを広げ、木からギンナンを落として拾っていたが、2009年から日頃集めたギンナンをまとめて提供する形に変えた。
約770本のイチョウのうち、ギンナンがなる雌木は約350本。「毎年秋になると、イチョウ並木により大量の落葉や落実などが発生しており、道路を良好かつ安全な状態に維持するため、多くの清掃が必要となっている」と同事務所担当者。年間の処理量はギンナンだけで約50トンにも及ぶ。
そこで、同イベントでは並木の剪定(せんてい)などによって集められたギンナンを一般に提供。処分に回す量を減らすことで、「歴史ある甲州街道の道路景観に親しみながら、秋の気配を感じていただくとともに、道路の維持管理の効率化を図る」。
当日は会場に敷かれたブルーシートの上にギンナンの実を広げ、1時間かけてギンナン拾いを楽しむことができるほか、道路維持管理に関するパネルなども展示し、市民に理解や協力を訴える。
開催時間は10時~11時。参加無料。