京王プラザホテル八王子(八王子市旭町)で10月19日、サイバーシルクロード八王子(明神町2)の設立10周年を記念した講演会「『Android City 八王子』を目指して」が行われた。
同会は2001年に八王子市と八王子商工会議所の共同事業としてスタート。正式名称は「『首都圏情報産業特区・八王子』構想推進協議会」。「産業都市としての八王子」の形成を目指して、企業間や産学連携、中小企業のためのリーダーの育成、インターンシップをはじめとする人材育成などの事業に取り組んでいる。
同会ではグーグルが携帯情報端末向けに開発したOS「Android(アンドロイド)」をまちおこしの材料にしようと、企業への支援や事業実現へ向けたコーディネートなどを行う「Android City 八王子」を昨年から実施。エンジニアなどの交流の場「Android カフェ」の開催やアンドロイドのキャラクター「ドロイド君」を使ったネクタイやブックカバーの開発・販売などの取り組みを行っている。
今回の講演会について、「『情報産業特区』としてのサイバーシルクロード八王子をもう一度再確認するには、ここはアンドロイドだろうと考えた」と同会事務局の岩月さん。同会の甲谷勝人会長は「アンドロイドに象徴される新しい情報技術が爆発的に大きくなりつつある。これを再生のきっかけにできないか」として、「変革の時は大きなビジネスチャンス。これからの10年、八王子の活性化につなげていきたい」と意気込む。
基調講演は、2003年からグーグルに携わり、同社副社長や日本法人の社長、名誉会長を務めた村上憲郎さんが登壇。「ITの最新トレンドとグローバル時代の産業振興」と題して、デジタル機器を活用した次世代送電網「スマートグリッド」を中心にスライドを交えながら、1時間にわたって講演を行い、「スマートグリッドの最初のアプリは消費電力の見える化」など家庭に置かれる電力計などのエピソードを交え、基本から解説した。
このほか、シリコンバレー在住のコンサルタントや東京工科大学コンピュータサイエンス学部の田胡和哉教授、アンドロイドを携帯電話以外の端末でも応用することを目的としたOpen Embedded Software Foundation(OESF、新宿区)代表理事の三浦雅孝さん、同会の甲谷会長も、それぞれ講演を行った。