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八王子に倉庫をリノベーションしたカフェ 障害・世代を超えた地域拠点目指す

倉庫をリノベーションしオープンした「たねカフェ」

倉庫をリノベーションしオープンした「たねカフェ」

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 八王子市夢美術館近くに1月29日、カフェ「たねカフェ」(八王子市八日町、TEL. 042-649-7085)がオープンした。

授乳室を設けたキッズスペースを用意

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 障害者を対象とした就労支援作業所などを手掛けるNPO法人「しあわせのたね」(みつい台1)が運営する同カフェ。「スペシャルティコーヒー」メーンの自家焙煎コーヒー専門店「Khazana Coffee(カザーナコーヒー)」(八日町)によるオリジナルブレンドのコーヒー(ホット、アイスともに400円)などこだわりのメニューを展開する。

 13時30分まで提供するランチメニュー(800円)は毎日日替わり。季節の野菜を生かし、「家庭の味をベースにこだわって作っている」と理事の比良弘之さん。「野菜はなるべく無農薬、地元野菜のもの。ゆくゆくは自分たちの畑で作った野菜を出していきたい」。スパイスにこだわる「たねカレー」(800円)は、週替わりでヨーグルトを主体とした酸味のあるものも提供する。

 ロゴや内装などは、八王子駅周辺で空きテナントを使いアーティストの作品展など、さまざま事業を行っている「AKITEN」のメンバーが協力。もともと倉庫だった空間を改装し、テーブル席、カウンター合わせて14席に加え、授乳スペースなどを設けたキッズスペースを用意。壁には作品などを飾れるように展示ボードを設けたほか、キッズスペースは壁の一部を黒板に変え、子どもたちが遊べるようにするなど随所に工夫を凝らす。

 作業所の利用者に就労の場所を提供するだけでなく、障害を持った人が日頃活動できる場所や地域と交流が取れる場所を設ける目的も込めて立ち上げた。飲食店の経験を持つ人がいなかったため、準備には昨夏から半年ほどかかったという。

 特にコーヒーについては基礎から特訓。「スペシャルティーコーヒー」であることもあり、「せっかくカザーナさんがこだわって作ってくれたので、その気持ちに応えたい。豆はひきたて煎(い)りたてだし、フレンチプレスで入れている。毎日作るたびに味がぶれてしまったり、温度管理に苦労したりと試行錯誤は続いているが、フルーティーでまろやかなものになっているはず」とアピールする。

 「障害を持った皆さんがお客さまと接することは自立にも効果があるはず。本格的なカフェには及ばないかもしれないが、地域のコミュニティーの核になれば」と理事長の和田隆夫さん。今後は子ども向けメニューや営業時間の延長なども検討していくことにしており、「世代、障害を問わず、小さな子から高齢者まで交流できる場所にしたい」と意気込む。

 営業時間は11時30分~15時。土曜・日曜・祝日定休。

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