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八王子市など6市が共同で東京五輪競技要望書 自転車ロードレースコース誘致目標に

東京都庁で行われた要望書手交式の様子

東京都庁で行われた要望書手交式の様子

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 八王子市・立川市・府中市・日野市・国立市・神奈川県相模原市の6市は6月26日、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックについて、自転車競技のロードレースのコース変更を巡って、東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のそれぞれに各市を通るルートにするよう要望書を提出した。

6月の記者会見で要望書の提出を発表していた石森孝志八王子市長

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 自転車ロードレースについては皇居外苑を会場とするコースとすることが承認されているが、富士山を背景に走るコースに変更するよう国際自転車連合(UCI)が要望。現在、武蔵野の森総合スポーツプラザ(調布市)をスタートし富士スピードウェイをゴールとする新たなコースを組織委員会が検討していることを一部報道が伝えていた。

 石森孝志八王子市長は今月1日に行った記者会見で、甲州街道沿道の周辺の市町村と共同でコースの誘致を行うことを発表。今回、要望書を取りまとめた。

 要望書の中では「多摩地域は、1964(昭和39)年に開催された東京オリンピックの自転車競技の会場となった地域であり、特にロードレースの周回コースとして各国のオリンピアンが駆け抜けた甲州街道や高尾街道は地元では『オリンピック道路』の名で親しまれ、今なおオリンピックレガシーが残っている地域」とした上で、2013年に行われた「スポーツ祭東京2013(東京国体)」でも自転車ロードレースが行われたことをアピールする。

 「多摩地域は豊かな自然を有し、適度な起伏があることから、昨今、自転車の聖地として多くの愛好家が集う地域」「多摩地域に隣接する神奈川県西部は山岳地帯を有し、ロードレースの競技性を一層高める」として、6市を経由するプランを検討するようまとめている。

 市都市戦略課の立川寛之課長は、一連の報道を受け「この機を逸することなく要望をすべきとの判断に至った」としたうえで、甲州街道を通って、国道413号で道志村を経由していくルートが競技性や交通規制の観点から優れているという。

 「甲州街道の都県境にある大垂水峠から国道413号に至るルートはかなりのアップダウンがあり、選手の実力差が現れやすく、より競技性の高いレースが可能。甲州街道は迂回ルートとなる道路も豊富であり、並行して中央高速道路も通っているため、交通管理者にとっても規制がしやすい。八王子市・日野市・立川市の区間は、1964年東京オリンピックにおいて、自転車ロードレースのコースとなったオリンピックレガシーの残る地であり、ストーリー的にも魅力の高いコースになると考えている」と話す。

 「八王子市民の多くは、1964年の自転車競技を観戦し、今でも鮮明にその頃の記憶が残っている」として、今回の要望への期待の高さをにじませる。「調布市よりも西側の自治体は競技会場となっておらず、今回、自転車ロードレースのコースになれば、多摩地域全体で機運が高まるのではないか。次世代を担う子どもたちに間近でトップアスリートの姿を見る経験は夢と感動を与える。ぜひ多摩地域の子どもたちにもそうした機会を与えてもらいたい」とアピールする。

 広域八王子圏では、今月15日に多摩市の阿部裕行市長が東京都、組織委員会、日本自転車競技連盟に対してコースの誘致に関する要望書を提出。2013年に行われた立候補ファイル提出の際に「皇居外苑をスタートして、多摩地域を周回したのち武蔵野の森公園をゴールとし、途中、多摩市内を通るコースが設定された」として、同コースを基本として市内を通るコースにするよう要望している。

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