プレスリリース

【福井県坂井市】会社の課題解決に“社外即戦力”の知見を

リリース発行企業:坂井市役所

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セミナー参加者たちに、人材不足、販路開拓、DX化など“企業が抱える困りごと”に、プロ人材活用の有効性を説くカルビン」の東慶親代表取締役(中央)=2026年5月28日、坂井市役所

 首都圏などの“社外からの即戦力”となるプロ人材を、地元の中小企業、個人経営者の経営改善に生かす「プロフェッショナル人材マッチング支援事業」を展開している福井県坂井市は、本年度、新たな活用事業者を募るため、市内の経営者らを対象とした「プロ人材活用セミナー」を5月28日、市役所で開いた。プロ人材とは、専門性を備えたその道のプロで、大企業などに勤務しながら、副業や兼業として地方の中小企業などをサポートする、いわゆる“経営の助っ人”。そのプロ人材と事業者のマッチングや、その後のプロジェクト立上げ支援に定評のある支援事業者「カルビン」(東京都港区)と坂井市が提携し、事業展開は3年目となる。今年度は大幅予算を組み、過去最大の20社を募る。販路拡大、人手不足、AI技術の進化など、ますます自社を取り巻く経営環境が変化しているだけに、セミナーに参加した経営者たちは、プロ人材という外部の即戦力に強い関心を寄せていた。
市の事業 過去最大の20社を募集
 坂井市が4年前に政策クエスト(実証実験事業)として始めたプロフェッショナル人材マッチング支援活用事業(当時の事業名は「副業プロ人材マッチング支援事業」)はその年は3社、事業初年度は10社、2年目は8社と計21事業者が活用。事業者は、繊維、造園、民宿・食堂、介護施設、クリーニング業など職種も経営規模もさまざま。その後、毎年、年度当初に、参加希望や関心のある経営者らを対象に事業概要を説明するセミナーを開催。28日のセミナーには経営者ら約30人が出席した。

坂井市のこれまでのプロ人材活用事業の事業者

- 2023年度 小杉織物(丸岡町)ナカテック(春江町)IIOプロデュース(三国町)
※この年度は政策クエスト(実証実験)事業
- 2024年度 ぴんぽんぱん(坂井町) 後藤塗装(春江町) 長谷川造園(春江町) 小杉デザイン事務所(丸岡町) 大喜(丸岡町) おおとく(三国町)仲村家具(丸岡町)ユティック(春江町)、タキダエンタープライズ(三国町) cloudy clouds(三国町)
- 2025年度 チャンスメーカー(坂井町) 三里浜特産農業協同組合(三国町) 坪金商事(坂井町) 村田石材店(三国町) ナカノ(春江町) 黒川クリーニング(春江町)ダイケイ(丸岡町) サンビーフ齋藤(三国町)


参加の12社中11社が 「やってみたい」

長谷皮造園の長谷川晃大社長(左)をはじめ登壇者3人が、プロ人材活用事業のメリットなどを語った

 セミナーの進行役(MC)はカルビン社の東慶親代表取締役が務め、「政府の働き方改革で、労働人材の流動性を高めるために、大手、有力ベンチャーの副業や兼業が解禁されたことで、人手不足対策やDX化に後れを取りった地方の中小企業でも 、新たな人材を雇用することなく、その道のプロを上手に活用できる時代になった」などと、最近の時代背景を解説しながら、「プロ人材には、自分たちの専門スキルを地方の中小企業でも生かしたい、地方企業の成長を応援したいという強い熱意がある。彼らは、経営者の悩みやこれまで解決できなかった課題に対して、喜んで手助けしてくれる」と語った。
またプロへの報酬は、月3万~5万円(実働10時間程度)で、新たに従業員を1人増やすよりも格段に安い。伴走支援コンサルタント(坂井市のメイン担当はカルビン社の太田千郷さん)という専門職がいるのが特徴で、事業者の課題に親身に寄り添うスタイルで活動している。「どのように課題を解決したら良いかが分からない」、「どんなプロにお願いしたら良いかが分からない」など、事業者の困りごとに寄り添いながら前進させてくれる。さらに、既に全国での実践事例も紹介した。
 事例紹介では、2年前からプロ人材を活用している地元の長谷川造園(春江町)の長谷川晃大社長ら3人の経営者・経営幹部も登壇。長谷川社長は、カルビン社がマッチングした米国に住む50代日本人のプロ人材とオンラインミ―ティングでのやりとりを紹介。住宅周りのエクステリア外構工事について、「それまではお客様への見積提示に1週間ほど掛かっていたが、プロ人材の手助けで独自AI見積もりシステムを構築できた。たった30秒で見積もりが可能になり、そのお陰で契約率もアップした」と成果を語った。さらに「AI技術の進化はここ1、2年でさらに速まっており、独自システムをさらにバージョンアップしている」と話した。
 ほかに繊維製造・染色の「ユティック」(春江町)の新規事業推進プロジェクト担当、小林美一さんや村田石材店(三国町)を経営する村田ひとみさんも「ほぼゼロから始めたECがみるみる売り上げを伸ばした」「経営を見直すきっかけとなり、新たな事業の柱になり得る取り組みが生まれた」と説いた。
セミナー後のアンケートでは、参加した事業者12社のうち11社が、プロ人材活用を「やってみたい」と回答。このうち三国町で海鮮加工品製造・卸売りを営む女性経営者は「うちは昔ながらの商品を出しているが、売り上げアップや新商品開発に着手したかった。SNSやデジタルに強い人材も社内にいないので、プロ人材をぜひ活用してみたい」と前向きに話していた。


マッチング前に「自社の課題は何か」 まず把握

―事業者の成長プロジェクトを設計する会社カルビン 東 慶親社長に聞く

プロ人材のマッチングの前に「自社で解決したい、経営課題の洗い出しを」と語るカルビンの東社長
―坂井市が、カルビン社と組んで始まったこの事業は、全国的には早い取り組みなのでしょうか?
 現在、わが社は、全国23の自治体とこの事業に取り組んでいますが、坂井市が実証としてスタ―トした2023年度は取引先としては3件目で、全国でも先行事例です。事業者の中には約3年を経過する現在でもプロ人材と活動をともにしている実例もごあります。今年度は、一気に20社を募集します。坂井市の意気込みと本事業への期待の高さを感じています。




 ―この事業に参加したい、と考えている中小企業は、そもそも、自分の会社が抱える課題が何なのか、どこに原因があるのか、人手不足やDXなど会社を取り巻く経営環境なのか内部の問題なのか、などなど…要因が複雑に絡み合って「課題が何か」が見えていない例も多いと聞きますが。
東 はい、そうですね。せっかく、プロ人材のマッチングができたのに、後から「実は東さん、こんな課題も抱えていました」と当初は見えていなかった潜在的な課題が発覚することも多いのです。そこで、自社課題についてはセミナー内で整理できる仕掛けを作りました。
 ―セミナーでは、プロ人材とのやり取りで、どう改善されたのかを紹介した「成功事例集」も配布されました。これから事業をやってみたい会社には分かりやすいツールですね。
東 「課題」や「悩み」がプロ人材でどのように解決されたのか、全国で14の事例を紹介した最新バージョンです。「困りごと」は何で、「解決に当たったプロ人材」はどんな人で、どんな「取り組みプロセス」をたどったか、坂井市では長谷川造園様のケースも掲載しました。具体的には、弊社では多岐に渡る課題解決をご支援する立場として、幅広くプロ人材との接点がありますが、ドンピシャな専門性やドンピシャな人材とマッチングできるよう工夫を凝らしています。マッチング後も「伴走支援コンサルタント」が事業者に寄り添い、進捗を継続的にフォローします。
 ―セミナーで東社長は、参加者に必ず「その課題が解決できたら、会社にとってどんないいことがありますか?」との問いかけしているのが印象的でした。それはなぜ?
東 課題を解決すること自体はいいことですが、それは中小企業にとって通過点でしかなくて、会社の課題が1つ解決できたら、その後、どのような展開が待っているか、“次のシナリオ”を考えてもらうためです。例えば、従業員の「賃上げ」に結び付けたいとか、経営者には目標を持つことでモチベーションを挙げてもらいたいですからね。
     ×    ×   ×
 坂井市は、今年度は国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を受け予算1200万円で事業展開。プロフェッショナル人材マッチング支援事業の活用を希望する事業者20社を募っている。既に11社が前向きの姿勢を見せており、「経営課題の解決や専門人材不足に有効な手法であるので、関心がある事業者はお早めに」と市商工労政課は話している。申し込みや問い合わせは、同課=電話0776(50)3153=か、坂井市商工会を通じても申し込める。

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