高尾山薬王院(八王子市高尾町)で2月16日、門前町の店を構える店主らが、打ったそばを同院に献上する「高尾山そば奉納」が行われた。
高尾山では消化吸収のいいそばと「とろろ」を組み合わせた「高尾山とろろそば」が親しまれており、麓から山頂にかけて、そば店が数多く点在。これを受け、京王電鉄などが毎年冬に「高尾山の冬そばキャンペーン」を行っている。そばの献上は同キャンペーンに合わせて2008年から行われており、ソバやジネンジョなど農作物の豊作を祈って、そばを同院に奉納している。
昨年までは「高尾山献上そば行列」として、みこしの上にそばを載せて担いでいたが、今年は同院の僧侶を先頭に、そばを持った店主らが境内を練り歩く儀式になった。当日は出発地点の同院四天王門の前に「高尾山商店会」の法被を身に着けた店主らが集合。献上するためのそばは白木で作られた三方の上に載せられた。
式典は13時40分に開始。行列の姿を一目見ようと多くの観光客も集まり、その列に続いた。ほら貝の音が鳴り響く中、列はゆっくりと進み、その姿を写真に撮る人も多かった。「昨日はあまり天気が良くなかったが、今日は恵まれた」と担当者。「多くのお客さまにお越しいただけたので何より」とした上で、「これからも皆さまに高尾山の良いところをご紹介できれば」と話す。
「高尾山の冬そばキャンペーン」は3月31日まで。