八王子駅北口の商業ビル街にある「網代園ビル」(八王子市横山町)、「OK-3ビル」(横山町)で6月29日、八王子産野菜にスポットを当てた食とアートがテーマのイベント「FARMART」が行われる。
「買う・知る・食べる・体感する」の4つをキーワードに、地元で育った旬の野菜をはじめとした食材や調理品、それらの料理を盛り付ける食器などを1日限定で一堂に集める同イベント。現在空きテナントとなっている2つのビルのフロアを活用して開くのは今回が初めて。
「農業でまちづくり」をコンセプトに新規就農の支援などを進めているFIO(堀之内)ら4組の農園に加え、八王子にゆかりのある彫刻家やイラストレーターなど10組も参加。
八王子・南大沢の住宅地に店を構えるパン店「CICOUTE BAKERY」(南大沢3)や「Boule Beurre BOULANGERIE」(八日町)、西八王子のネパールカレー店「奈央屋」(千人町3)など、飲食店も出店しイベントを盛り上げる。
当日は、竹を使ってスプーンなどのカトラリーを作り上げるクラフト作家・沖原紗耶さんによる「竹による箸づくり」などのワークショップ、八王子を拠点に活動するジャズグループ「夜空楽団豆(よぞらがくだんず)」によるライブイベントなど、幅広い世代に楽しんでもらえるよう、さまざまな催しを開く予定。
主催は、市内にある空きテナントを使ってアーティストの作品展などを行う「AKITEN」。東京都が進める「東京文化発信プロジェクト」の一環として企画した。「AKITENはもともと空きテナントを使って地域振興を進めていく取り組みだが、八王子ならではの要素も取り入れてみたいと思った」とイベントの実行委員長を務めるグラフィックデザイナーの和田直也さん。
「八王子は農業が盛んだし作家も多い街。融合することで新たな独自性が打ち出せるのでは」と、「FARM」「ART」「MART」の3つを組み合わせた「FARMART」をタイトルに据え、今冬から準備を進めてきたという。
プロジェクトに携わるギャラリーカフェ「MODESTE」(元横山町)店主の望月さんによると、ジャガイモ、タマネギ、ズッキーニ、ニンニクなどなじみのある野菜から、地中海原産でサラダなどに使われる葉野菜「スイスチャード」など珍しい食材も登場する予定で、「野菜好きな人でも楽しめるのでは」という。和田さんも実は野菜が苦手といい、イベントを通じて「野菜を好きになりたい」と話す。
「AKITEN」を手掛け八王子市議会議員としても活動する及川賢一さんは「地産地消というと、食べ物のイメージが強いが、地元のアーティストたちと関わることで文化なども含めた幅広い意味での地産地消が実現できれば」と期待を込める。
開催時間は10時~18時。入場無料。