八王子を拠点に音楽活動を行っているバンド「フラチナリズム」のワンマンライブ公演が8月30日、オリンパスホール八王子(八王子市子安町4)で行われ、メジャーデビューや札幌への移住など「重大発表」が行われた。
ボーカルとエンターテーナーを務めるモリナオフミさん、ギターの田村優太さん、ベースのタケウチカズヒロさん、ドラムの都築聡二さんの4人から成る「フラチナリズム」。今回は「まちと人と時々フラチナリズムが紡ぐ。八王子2000人のキセキ」と銘打ち、2000人規模のライブを展開した。
オープニングで都築さんが八王子を拠点に活動する「和太鼓祭座」とともに太鼓を演奏するなど地元ぐるみでつくり上げた今回のライブ。ライブ中盤では、客席で観覧していた石森孝志八王子市長もステージに登場したほか、地元の小学生とともに八王子のご当地キャラクター「たき坊」や、市の観光キャラクター「はっちお~じ」、八王子ロマン地下のオリジナルキャラクター「はっちか君」が曲に合わせてダンスを披露するなど盛り上がった。
アンコールでは、モリさんが八王子から全国へと活動を広げていく決意を語った後、その思いを歌詞につづった新曲「トレイン」を歌い上げ、約3時間にわたって行われたライブが終演。メンバーと観客全員で記念撮影が行っていたところ舞台が暗転。スクリーンに映像が流れ始めると、サプライズでメジャーデビューが発表され、この知らせに観客の中には涙を流す人も多かった。
会場が祝福ムードに包まれていたが、その後も発表は続き、2015年1月からメンバー全員で札幌へ移住すること、新天地での生活費は札幌・すすきので行う流しで稼ぐこと、札幌で来年4月に2000人規模のワンマンライブを開催すること、そして、来年5月にオリンパスホール八王子で再びライブを行うことを立て続けに発表。メンバー全員、ステージ上に倒れ込むほど驚きを隠せない様子だった。
プロデューサーの岩崎貞文さんは、新天地での活動について、「フラチナリズムの故郷は八王子」としたうえで、「彼らが見知らぬ土地でどのくらい通用するのか、どこまでできるのか、そして、できてしまうのではないかという期待感から、あえて酷なことを突きつけようと思った」と理由を明かす。
突然の発表に「もうやるしかない」とタケウチさん。「メジャーデビューしたいとずっと言ってきて、そのチャンスをもらった。北海道に移住して、ワンマンライブを成功させて『メジャーデビューしましたよ』とみんなの前に帰ってくるから、応援してくれますか?」と会場に呼び掛けると観客から大きな拍手が上がった。
「これは試練。こんなことでつぶれるようならメジャーに行っても通用しない。僕らのことを知らないような札幌を盛り上げることができたら、全国でも通用するんじゃないか」とモリさん。「僕らは目標に向かって思いっきりやるだけ。住むところがどこになろうと八王子と縁が切れるわけではないし、今までつくってきた思い出は絆になっている。北海道で一旗揚げて、札幌と八王子を結ぶ橋渡しができれば」と意気込んだ。