八王子の「長澤歯科医院」、2階部分が宙に浮いた建物で話題に

2階部分が宙に浮いた格好になっている長澤歯科医院(撮影:広川泰士)

2階部分が宙に浮いた格好になっている長澤歯科医院(撮影:広川泰士)

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 八王子・東浅川交通公園にほど近い場所に11月4日、長澤歯科医院(八王子市東浅川町、TEL. 042-673-3644)が開院し、2階部分が宙に浮いたように見える建物も相まって話題を呼んでいる。

設計を手掛けた松葉さんと長澤院長

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 長澤孝浩院長が市内での勤務医の経験を経て開業した同院。京王線・めじろ台駅から徒歩10分程度の場所に立地しており、診察科目は歯科・小児歯科・歯科口腔外科を標榜する。長澤さんのほか、歯科衛生士や歯科助手とともに診療をしていくことにしており、「八王子で歯科医を務めて8年。技術はもちろん、きれいな診療室でなければきれいな仕事はできないとの思にも気を付けて診療をしていきたい」と長澤さん。

 特徴的な建物は、住居に当たる2階部分の端が診療スペースである1階の上に数十センチだけ乗る格好となっており、外からは宙に浮いたように見える。設計を手掛けたのは市内で建築家として活動するTYRANT(明神町2)の松葉邦彦さん。もともと長澤さんの妻と松葉さんが学生時代の同級生で「面白い建物を建てている人が八王子にいるということで、この人にお願いしようということになった」と長澤さん。「最初に案を出してもらった時に面白い、目立つと思った」と振り返る。

 松葉さんにとっては、市内での初めての建築物。「目立つ建物を造ってくれという話だった」と振り返り、「手前に駐車場を持ってくると建物が奥まってしまって目立たない。後ろを駐車場にすると動線が面倒くさい。手前に駐車場を持ってきた時に目立つものにしようと思ったら、こういう形になった」と話す。「よくこんな建物が建った」とも。

 構造設計は多摩美術大学の非常勤講師で寺戸巽海構造計画工房(目黒区)の寺戸巽海さんが担当。鉄筋で補強することで宙に浮く構造を実現し、松葉さんは「コンクリートにひびが入ったくらいでは全然問題ない」と話す。このほか、横浜港開港150周年を記念してオープンした公園「象の鼻パーク」(横浜市中区)のライトデザインを手掛けた照明デザイナーの東海林弘靖さんや竣工写真を写真家の広川泰士さんが手掛けるなど、設計に半年、工事に半年の時間をかけてようやく開院にこぎ着けた。

 10月上旬から新天地での生活を始めたという長澤さん。家族3人、下に何もないところで暮らす気分については「地面の上にいるわけではなく、完全に宙に浮いた状態なのですごく不思議な感じ」と話す。周辺からも目立つようで「看板ができるまでは『何ができるの?』と言われたし、1回見た後、車でぐるっと回ってもう1回見る人もいた。注目されていると思う」と話す。「地元の皆さんに医療を通して恩返ししたい。地元に根付いた歯科医院をつくりたい」と意気込む。

 内装の見学に加え、治療に関する相談なども受け付ける内覧会を11月7日~9日に行う。開催時間は11時~17時。診療時間は平日=9時~12時、14時~19時(土曜は17時まで)、水曜午後・日曜・祝日休診。

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