八王子市は2月20日、2009年度の予算案を市のホームページを通して一般に公表した。新年度予算は緊急雇用対策として中小企業向けに「雇用維持奨励金」を交付するなど、労働費を大幅に強化したものとなっている。
2009年度の予算総額で約3,315億円。昨年と比べて4.6%増となる。これに対して歳入は法人市民税などの落ち込みから約21億円の減収を見込んでいる。土木費などを圧縮する一方、雇用対策などに使われる労働費を今年度から約73%増やすことで、急速に進む景気悪化に対応する。市はこの予算を「八王子元気計画推進予算」と名付けた。
新年度予算の大きな目玉は緊急雇用対策として実施する「雇用維持奨励金」。雇用維持に対して自助努力を行う市内の中小企業に対して、社員ひとりあたり5万円を支給するもので、このための費用として約5,000万円を予算に組み込んだ。なお、制度の利用には従業員数が40人以下、1社あたり上限金額は100万円など条件を設け、専門家らによる審査会が企業側の経営計画などを総合的に判断した上で支給の可否を判断する予定。
このほか、大地震の発生に備えて希望する全世帯に家具転倒防止器具を配布する事業や乳幼児を連れた状態で安心して外出することができるよう、授乳スペースやベビーベッドなどを備えた施設「赤ちゃん・ふらっと」(仮称)の設置促進、「下恩方ちびっこ公園」の整備、地球温暖化対策として、市の施設にゴーヤなどの植物をはわせて日差しを遮る「緑のカーテン」の導入、今年4月から市内中学校で始まる学校給食などを新規事業として予算化した。