メディア・アイ・コーポレーション(八王子市元本郷町3)は今年7月22日に観測される皆既日食の模様を、インターネットを介して生中継する。
皆既日食は月の視直径が太陽よりも大きくなることで、太陽が隠されてしまう現象。日本の陸地から観測できることは大変珍しく、1963(昭和38)年7月21日に北海道で観測されて以来46年ぶりとなる。
同社はインターネットを通じた映像配信やネットワークシステムの構築などを行っており、2001年には「獅子座流星群」のインターネット生中継を、2002年にはオーストラリアで皆既日食の生中継などを行ってきた。「皆既日食という天文現象を通じて科学への興味・関心を喚起し、自然と人類のかかわり合い・地球環境について思索することにつながれば」と同社社長の相原一晴さん。
国立天文台によると、今年7月22日の9時35分ごろから12時20分ごろまでの間、全国的に部分日食を観測でき、特に、奄美大島北部から種子島南部にかけての「皆既日食帯」と呼ばれる地帯では皆既日食を観測することができるという。
これに合わせ、同社は特に6分間と長い時間観測することが可能な鹿児島県・悪石島に観測拠点を設置。「通信・配信系など、1年ほど前から徐々に準備をしている」と相原さん。一方、「電源事情が悪いので、電子機器の電力供給をどのようにするか、また、それらが機材の重量を増大させる」と中継への難しさをにじませる。
今回はNTTドコモのFOMA携帯電話網やインマルサット通信衛星などを利用し、現地からインターネットを通じて皆既日食の映像を企業や団体に配信する。一般には中継終了後、ホームページでオンデマンド形式の映像配信を行う予定。
7月22日は偶然にも同社の会社設立日。「何かの縁があるのかも」と相原さん。
ホームページは今年12月30日まで運用。現地からの生中継は7月22日9時~12時30分を予定する。