八王子市が11月17日、独自のデジタル地域通貨「桑都(そうと)ペイ」の運用を再開する。
「桑都ペイ」は八王子市内で利用できる電子通貨。地域経済とコミュニティーの活性化を目的に昨年度事業化し、昨年10月から2月まで試行した。その際は約20万人がアカウントを登録し、利用総額は約58億円だった。
今回はイベントなどに参加することでポイントを付与し、ためたポイントを1ポイント1円として、市内の加盟店での買い物などに利用できる「地域ポイント機能」に限って運用を再開する。試行の際には利用できたポイントをチャージし、キャッシュレス決済に利用できる機能は再開しない。
北海道苫小牧市、栃木県日光市との姉妹都市締結から50周年を迎えたことを記念して、東京たま未来メッセ(東京都立多摩産業交流センター、八王子市明神町3)などで、11月17日に行うイベント「三都絆祭」に合わせて運用を再開する。同イベントの来場者には500ポイントを付与する。市は同イベントでのポイント付与として、1万人分、500万円の費用を見込む。
21歳・22歳・31歳・32歳の子宮頸がん検診未受診者を対象に検診受診とアンケートの回答を行った人を対象に500ポイントを付与するほか、今後はさまざまなイベントへの参加などでもポイントを付与することにしている。
運用の再開に合わせ、市ではアプリの操作などに不安がある人を対象に支援窓口を設ける。11月は八王子駅前のショッピングセンター「八王子オクトーレ」(旭町)と「イトーヨーカドー南大沢店」などが入居するビル「ガレリア・ユギ」(南大沢)で行う。開設時間は平日10時~17時。
約8カ月ぶりの運用再開に初宿(しやけ)和夫八王子市長は「桑都ペイについては試みの時にさまざまな課題があった。チャージはできないわけではないが、実施予定はない。再開させるに当たってどの機能に特化するかを考えたとき、チャージよりは主に市のイベントに参加をしてポイントを獲得してもらい市内の店で使ってもらう形にした。今後、桑都ペイのポイントを『ふるさと納税』の返礼品として提供するなどさまざまな活用を図る」と話す。
ポイントの付与や利用にはスマートフォン向けの専用アプリのインストールが必要。ポイントの有効期限は2025年10月31日。