![初宿市長(左から3番目)と商品が認定された企業の代表者](https://images.keizai.biz/hachioji_keizai/headline/1739357054_photo.jpg)
「八王子市中小企業新商品開発認定制度認定式」が2月3日、八王子市役所で行われた。
八王子市内の中小企業が手がける新規性が高い優れた商品やサービスを、八王子市が基準を満たす企業・商品であると認定する同制度。販売から5年以内の商品を対象とし、企業支援の一環として、2014(平成26)年度から行っている。これまでに70商品を選定した。
10回目となる本年度は、そろはむ(八王子市並木町)の競技用こま「オオルリ」、造研(堀之内2)の緩衝材製造機「PACO-180」、夢現舎(堀之内3)の「地域DX情報基盤アプリ・サービス 『mD-Sigage 5』」、ガリレオ(横山町)の「オンプレミスAIカメラソリューション」、ニッコー(横山町)の「ニッコー・液体ガラスによる不燃木材」の5社5商品を認定した。
当日は、初宿和夫八王子市長が各企業の代表者に認定証を手渡した後、それぞれの企業が持ち時間の3分を使って、認定された商品を市長らに説明した。
ヨーヨーやこま、けん玉など遊ぶために技術を必要とするおもちゃを指す「スキルトイ」を扱い、「ヨーヨーショップスピンギア高円寺店」(杉並区)などを運営する、そろはむは2019年以来の商品の認定となった。
今回の「オオルリ」は、プラスチック製品の製造などを手がけるセイホー(東浅川町)、金属製品の製造を行っている信濃精機製作所(下恩方町)と手を組み「メードイン八王子」のこまとして作った。同社の長谷川貴彦社長は「市に認定していただいたので、これをきっかけに市内の学童保育や小学校への導入が進み、もっともっと『オオルリ』で楽しんでもらえる人が増えればいい」と話す。
造研の坂口晃社長は認定された「PACO-180」について、「フィルムで空気を閉じ込めるエアーピロー型と呼ばれる緩衝材を作る機械。他社と比べて、圧力を加えても空気が抜けないのが特徴。リユースが可能で、減圧下の航空機の中でもしぼむこともない。八王子の企業でも使っていただけるところがあれば」と説明する。
夢現舎も2017(平成29)年以来、2度目の認定となった。同社の飯田公司社長は今回の商品について、「ユーザーはアプリを1つ入れれば、ほかの地域に行った際、新たなアプリを入れなくても観光なら観光という同じ属性の情報を得ることができる。多摩エリアは地域ごとに観光資源が分散しているので、ユーザーが地域を巡る基盤を組むことを積極的に進めている」と話す。
AI(人工知能)を使った防犯カメラシステムを手がける、ガリレオの宮崎雄次事業部長は「現代社会においてセキュリティーはなくてはならない必須要素。しかし、プライバシーの保護やコスト、運用管理といった課題がある。当社はAIによる自動検知などによりこれらの課題を解決している」と説明する。
常温で液体状のガラスを木材に浸透させることで、木材の不燃化を実現したニッコーの池洋一郎社長は「木は有機物なので、本来は無機物のガラスとは相性が悪い。中に注入することで、ガラスの良さと木が同化して不燃化し燃えなくなる。汚れ防止や強度が上がるなどガラスの良いところも生かせる。今までになかったオリジナリティーのあるものができた。不燃木材として今年から売り込みたい」と話す。
初宿市長は「いろいろな折に触れ行く先々で商品をPRしている。精いっぱいさせてサポートいただく。相談事があれば市に声をかけていただきたい」と話す。
認定した商品は市が発行するパンフレットやウェブサイト、イベントなどを通じて紹介する。「認定通知日から3年後の年度末まで」としている認定期間中は、市が必要に応じて商品を試験的に購入するなどして販路開拓も支援する。