
八王子市が8月26日、船森公園(八王子市明神町4)にある公共トイレの建て替えに向けて行った「船森公園トイレ設計コンペ」の最優秀設計案を決めたと発表した。
京王線・京王八王子駅近くにあり、市内最古の神社として知られる子安神社(明神町4)の隣に位置する同園。八王子市は3月に「八王子市中心市街地公共トイレ環境づくり基本方針」を策定し、そのリーディングプロジェクトとして、老朽化が進む同園のトイレ建て替えに向け、設計案を募集するコンペティションを行った。
45歳以下の建築士を対象に、7月17日まで設計案を募集したところ、227人から参加の申し出があり、最終的に158件の応募があった。8月1日に1次審査の結果を公表し、6案が審査を通過した。8月20日に八王子市の文化施設「いちょうホール(八王子市芸術文化会館)」(八王子市本町)で、2次審査として応募者本人が作品についてプレゼンテーションする公開ヒアリングが行われた。
選考の結果、レクト一級建築士事務所(渋谷区)の廣戸海渡さんの作品「めぐり つつむ レストコモンズ」が最優秀設計案、藤原酒谷設計事務所(神奈川県横浜市)の藤原真名美さんの作品「The Fold」が優秀設計案となった。このほか、入賞4点、佳作20点も決まった。
最優秀設計案となった「めぐり つつむ レストコモンズ」については、「曲線部と端部の特徴的な美しいデザイン」「コンパクトでシンプルな平面構成により、使いやすさが確保されている」「堅牢な駆体、傷つきにくい素材が選定され、耐久性、維持管理のしやすさに優れている」「災害時の拠点として活用可能な広場や、夜間照明の工夫により、防災性・防犯性に配慮されている」「トイレと一体となったベンチと滞留空間の創出により、人々の活動そのものが通りからの景観となり、周囲との調和性が高い」と評価された。
2026年3月までに詳細設計を行い、来年度に解体・建築工事を行う予定。