東京工科大学(八王子市片倉町)は12月8日、音楽プロデューサーの松任谷正隆さんが同大学メディア学部の客員教授に就任したと発表した。
着任は今年10月1日付け。松任谷さんは2007年10月に全国コンサートツアー事業者協会(渋谷区)の寄付講座「メディア特別講義II ライブ・エンタテインメント論」の講師を担当。以降、松任谷由実さんが毎年冬、苗場で実施しているコンサート「松任谷由実 Surf&Snow in Naeba」のホームページに同大学の学生がスタッフとして参加するなど、これまでにも交流があった。
「現場に出たらプロも学生も関係ない」と松任谷さん。「逆に僕たちプロの側が学生たちのアイデアに驚かされることも多い。僕たちはプロとして長くやってきていますから、もの作りのプロセスは理解している。ただ、先にプロセスが見えてしまうだけに、どうしても現実的なアイデアに落ち着いてしまう。学生たちはプロセスより面白さ優先のアイデアをどんどん出してくるので本当に面白い」と話す。今後、コンサート、ツアー映像の製作など、ライブイベントの現場を通した教育を行っていくという。
また、松任谷さんは来年4月から新しく始まる卒業研究プロジェクト「エアー・プロジェクト」も担当。同プロジェクトには松任谷さんのほか、大学公式インターネット放送局「intebro(インテブロ)」の顧問などを務める同大学メディア学部の佐々木和郎教授などの教員に加え、学部3年生のメンバーが中心となって参加。「音響と映像の融合」をテーマに音の可視化やiPhone向けアプリケーション「セカイカメラ」などで知られる「オーギュメンテッド・リアリティー(拡張現実技術)」などを研究する。
「これからは学生たちとのコラボレーションや講義だけではなく、学部の先生方との研究プロジェクトにも参加させていただく。楽曲のデータ検索やインターネットライブの研究も、先生方の力を借りながら進めていければ」と松任谷さん。