デザイナーで、雑貨コレクターとしても知られる森井ユカさんの新刊「雑貨コレクターのうちの中」(ポプラ社)が1月18日、発売された。
森井さんは桑沢デザイン研究所(渋谷区)を卒業後、立体造形家、デザイナーとして活躍。現在、同校で非常勤講師を務めるほか、東京造形大学大学院(八王子市宇津貫町)に学生として在籍している。映画「フレフレ少女」のマスコットキャラクターデザインなどでも知られるほか、絵本や単行本などの著作も発表。3月から輸入雑貨専門店「PLAZA」各店で行われるキャンペーン「Come in, SUPER MARKET We are open!」ではデザインのほか、取り上げる商品の選定、記事の執筆なども担当する。
「雑貨コレクター」としても知られる森井さん。これまでに「東京雑貨パトロール」(講談社、1,890円)、「ミュージアムショップ トリッパー!」(青山出版社、1,890円)、「スーパーマーケットマニア」シリーズ(講談社)など、雑貨をテーマに数多くの著作もある。「世界の雑貨に関する評論本は10冊ほどを出版している」という。
新刊は昨年6月に発売されたエッセー「雑貨コレクターの旅スタイル」(河出書房新社、1,680円)に続くもの。今まで明らかにしてこなかった「どんな生活をして、身の回りにどんなものがあるか」をテーマにしている。前作が雑貨を求めて世界を駆け巡るという「外」に向かったものだったことを受け、「今回は内に向かう本はいかがか-という編集さんのアイデアにより生まれた」という。
玄関、バスルーム、キッチンなど、部屋の中を巡りながら雑貨に触れていく。「やはり日本製の電化製品は秀逸。メカニカルなものは持っているだけでうれしい」と森井さん。「無印良品の防災ラジオを紹介しているが、機能を美しく内包した一切無駄のないデザインにはほれぼれし続けている」とも。
本の後半では「振り返れば雑貨道」のタイトルで子どものころから今までの自身を振り返った。「自分が育った経緯、何を見てきたのか、何が好きなのかということを現在の活動まで一線上に置いてみよう」と森井さん。これまでの「雑貨道」を振り返り、「わたし自身はとくに意識せずに普通に好きなものをまとめてきたので、それが仕事になっていることには感謝している」とも。
「選び抜いた雑貨、ほれ込んだ雑貨は高価なものでなくても、そばにいるだけで十分生活を彩ってくれて気分を高揚させてくれる。『へー、そんなこともあるのかあ』って楽しんでいただければ幸い」と森井さん。
価格は1,680円。