松栄山了法寺(八王子市日吉町)に「萌え看板」が設置されてから5月で1年が過ぎたことを受け、看板を仕掛けた地元企業・八福(元本郷町1)に話を聞いた。
同寺は1489年に開山した日蓮宗の寺。「八王子七福神」の一つである新護弁財天を祭る。看板は同寺の入り口に昨年5月に設置したもので、イラストレーターのとろ美さんが描いた弁財天をイメージした「とろ弁天」など、そのキャラクターが国内外のメディアで大きな話題を呼んだ。
昨年11月には、「八王子いちょう祭り」の際に同寺内でメード喫茶「お帰りなさいませ了法寺へ☆」を開催。今年1月にはメードともちつきを行う「LOVEこね」を、4月には釈迦の誕生日に合わせたイベント「お帰りなさいませ了法寺へ☆Part2 『お釈迦様の誕生会』」を行い好評を得たほか、市内のアニメショップでオリジナルグッズの販売が開始されるなど、積極的に展開を進めている 。
看板設置は地元・八王子のまちおこしを狙って、同社の三井一仁社長らが中心となって進めたもの。その後、イベントやオリジナルグッズなどの開発にも企画から携わってきた。もともと立体物を使った広告のデザインなどを行っている同社。これまで経験していなかったイベント運営に、「その難しさを痛感した。お墓の隣でメードカフェを開店したことは、我ながら大変面白かった」と同社。
看板設置1周年を受け、記念企画も進めている。同寺ホームページでは看板のキャラクターをフィギュア化した「萌え仏像」や「寺のテーマソング」などの案を発表。「水面下でいろいろと動き出している。正式に発表できる段階になったら、その都度お知らせしたい」。今夏には同寺のインターネットラジオも始める予定だという。
目指すは「お寺やお墓のイメージを明るいものにし、もっと気軽に立ち寄れる場所、幸せな気持ちになるための心の拠り所」にすること。この1年を振り返り、「一般の方からすれば、お寺は入りづらいところというイメージが少なからずある。看板の設置、メードカフェなどのイベントを行うことによって、多少なりともお寺の敷居を下げられたことは本当に良かった」。「今後の展開に大きく期待されている声を少なからずお聞きしている。そうしたご期待に応える責任も重大」とも。