音響機器メーカーのティアック(多摩市落合)は11月下旬、太陽電池パネルを搭載した楽器用チューナー「TC-1S」を発売した。
同製品はギター等の弦楽器や管楽器のチューニングを行う際に用いる「クロマチックチューナー」と呼ばれるもの。1オクターブを半音単位で合わせることができるが、これまで乾電池や家庭用電源が必要とされていた。「チューナーは使いたいときに電池が切れているということが間々ある。電池交換が不要であれば、いつでも使えるというメリットがある」と同社広報課の中村さん。
太陽電池パネルを製品に採用しようと開発を始めたのは今春のこと。今回は同社のプロ用オーディオブランド「TASCAM(タスカム)」の製品として着手。太陽電池パネルを使うのは同社として初めてのことだった。「充分な電池持続時間を得られるべく、回路設計の工夫を重ねた」と中村さん。結果、フル充電時で約6時間の使用を可能にした。
一般にはパネルで得たエネルギーをそのまま製品で使用するが、同製品では充電池を内蔵。「太陽電池により得たエネルギーで内蔵充電池に充電を行うことが大きなポイント」と中村さん。これにより、ライブステージなど薄暗い環境でも使用できるようにした。
楽器の音は本体のモノラルマイクで集音。チューニング時には液晶ディスプレーに音名を表示するほか、チューニングのずれをバーやアニメーションなどの形で表現。さらに、基準となる周波数を補正するキャリブレーション機能を搭載し、エレキギター、ベース向けに標準フォンジャックも設ける。
サイズは、幅9.6センチ、高さ4センチ、奥行き1.8センチ、重さ51グラムのコンパクトサイズ。持ち歩きに便利なよう本体にはカラビナも装備した。「ギターケースなどに引っ掛けてもらえば充電しながら持ち運べるので、すぐに使うことができる」。本体付属のラバーケースは、ホワイト・ブラック・グリーン・ブルー・オレンジ・ピンクの6色展開。
価格はオープンプライス。同社直販サイトでの販売価格は3,150円。