「萌え寺」として知られる松栄山了法寺（八王子市日吉町）は3月16日、同寺のツイッター上で東日本大震災を受け復興祈願のイラストを公開した。

　同寺は1489年に開山。「八王子七福神」の一つである新護弁財天を祭る日蓮宗の寺で、イラストレーターのとろ美さんが描いた「萌え看板」を境内に設置して以降、「萌え寺」として国内外のメディアで紹介されるようになった。

　公開されたのはとろ美さんによる描き下ろしイラスト。画像共有サイト「twitpic」に掲載された。「被災地を応援するイラストを描いていただくようお願いした」と同寺の企画に関わる八福（元本郷町1）の室井さん。とろ美さんは「日本の歴史の中でも未曽有といえる大災害。本当にショックだった」と話す。「私にも何かできることがないかと思い、八福からいろいろな作家のイラストメッセージを教えていただいた」

　イラストでは、同寺のオリジナルキャラクター「とろ弁天」と「がうたまちゃん」が手を合わせて祈りをささげる。「歴史ある町並みや大切にされていた畑、そこに住まれる皆さんが再び復興できるように願いを込めて描かせていただいた」ととろ美さん。「私にできることがあったら誠心誠意頑張らせていただく。ぜひ声をかけてほしい」とも。

　「今回の地震で被災された精霊に御回向（ごえこう）申し上げ、被災者の皆さんに1日でも早い復興と希望を祈願させていただく」と同寺の中里住職。また、同社も「現在でも被災地で救援を待っていらっしゃる皆さんや、避難されてなお辛い思いをされている皆さんが数多くいらっしゃる」とした上で、「元気で平穏な生活をいち早く取り戻されますよう心からお祈り申し上げる」と話す。

　同寺では現在、義援金を受け付けているほか、4月3日の「花まつり」の際には復興祈願の法要などを行う予定。