Googleが携帯情報端末向けに開発したOS「Android(アンドロイド)」のキャラクターを使った八王子オリジナルのグッズが現在、八王子市内の各所で販売されている。
サイバーシルクロード八王子(八王子市明神町2)がアンドロイドをまちおこしの材料にしようと進めている「Android City 八王子」。「IT起業家や若手クリエーターが集積する、いわば日本のシリコンバレー的都市にしたいという夢がある」と同事務局の高橋さん。企業への支援や事業実現へ向けたコーディネートなどのほか、7月からはエンジニアやデザイナー、学生などを対象としたイベント「Android カフェ」を開いて交流の場も提供。「この八王子からグーグルのようなビッグカンパニーを興そう、そのためのインフラを作ろうという取り組み」とも。
同プロジェクトでは地域産業の振興も狙い、「『八王子織物』活性化プロジェクト」を立ち上げて地元企業と連携。「八王子織物」は400年以上の歴史を持つ独自の産業で、現在でも染色や縫製など繊維関連産業が数多く八王子に集まっており、プロジェクトのPRを兼ねてアンドロイドのキャラクターとして親しまれている「ドロイド君」をモチーフにしたグッズを開発、販売することにした。
内田長織物(下恩方町)、ブックカバー専門店のオルキデア(明神町2)の2社の協力を得て、ネクタイ(3,500円)とブックカバー(単行本サイズ=2,800円、文庫本サイズ=2,400円)の2種類のオリジナルグッズを開発。それぞれ「ドロイド君」を各所にちりばめており、「誰が見ても分かるキャラクターグッズは注目を集めやすい」と高橋さん。
これまでグッズは同事務局、アンドロイドを携帯電話以外の端末でも応用することを目的としたOpen Embedded Software Foundation(OESF、新宿区)が市内に持つ研究開発施設「OESF Android Open Lab」、八王子織物工業組合の3カ所で販売。8月から市内の雑貨店「Cafu(カフー)」(横川町)でも取り扱いが始まった。「ネクタイを作って販売しているという情報を流したところ、『地域密着の店舗でもあるので、地元の話題性のある商品を置いてみたい』という話があった」と高橋さん。「これまで販売拠点が八王子の中心部にしかなかったため、少し離れた場所に置くのもいいと思いお願いした」と話す。
追加発注分を含めて600本製作したネクタイは残り半分、ブックカバーは単行本サイズ、文庫本サイズを含めて残り20冊分と売れ行きは好調。今後の販売展開については、「ただやみくもに販売店を増やすのではなく、学生や起業家にうまくPRできる場所ということも考えていく」と高橋さん。