GEヘルスケア・ジャパン(日野市旭が丘4)の超音波画像診断装置「Vscan」が11月9日、日本デザイン振興会(東京都港区)が運営する今年の「グッドデザイン金賞」を受賞した。
コンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像装置(MR)、エックス線撮影装置、超音波診断装置、ライフサイエンス研究用の機器などを扱う同社。グッドデザイン賞には毎年製品を応募しており、昨年は心電計「MAC800」と全身用エックス線CT診断装置「Optima CT660」の2製品がグッドデザイン賞を受賞した。
金賞は全ての受賞作品の中から「特に優れている」と思われるものに贈られる。同社が金賞を受賞するのは、2009年に合併する以前の旧GE横河メディカルシステム、旧GEヘルスケア・バイオサイエンスを通して今回が初めて。
「Vscan」は3.5インチのディスプレーを備えたポケットサイズの超音波画像診断装置。幅7.3センチ、全長13.5センチでバッテリー、体に当てるプローブ部分を含めて重さは390グラム。フル充電時には1時間ほどバッテリーが持ち、約15人~20人に対して検査を行うことが可能だという。
「Vscanは、製品としての性能や技術だけでなく、外観や使い勝手といったデザインにも非常にこだわって開発したもの。そうした点も多くの方に評価いただければと思い、本年度のグッドデザイン賞へ申請した」と同社コミュニケーション本部の松井さん。
国内では昨年10月から市場に投入。すでに医療の現場で使われ始めている。「海外でも米国・EU主要国・中国・インド・アジア諸国等広く販売されているが、日本は世界で最も高い売り上げを上げている最重要市場」と松井さん。「医師の声としては、在宅診療や救急医療、東日本大震災被災地の避難所などでご活用いただいたという話を多く頂いた」とも。
今回の受賞について、同社の川上潤社長兼CEOは「当社初となる金賞を受賞したことを大変うれしく光栄に感じている」としたうえで、「検査室での使用という従来の医療機器の概念を覆す斬新なデザインのVscanは、まさにこれまでの医療の提供のされ方を変革し、これからの超高齢社会でますます重要性が増すプライマリケア分野を中心に新たな価値をもたらすことのできる製品だと自負している」と話す。