2018年シーズンからB2リーグに参戦している「東京八王子ビートレインズ」。同チーム広報の協力の下、ホームゲームの開催に合わせ、試合の見どころや選手について紹介していく。今回はその第5弾。
今月5日・6日に行われたシーズン第16節「信州ブレイブウォリアーズ」戦を2試合とも落とし、開幕から3勝27敗と厳しい状況が続いている同チーム。15日に開催するシーズン第17節「西宮ストークス」戦は、「成人の日」の翌日の開催であることを受け、「成人おめでとうチケット」と題して、新成人を対象に「快速2階自由席」(1,800円)を20円で提供するなど、さまざまな催しを予定する。
ここから試合開催を前に次節の見どころを望月さんとともに伝える。
第17節の見どころ 八王子ビートレインズ広報・望月舞子
−2019年最初の試合では勝利を飾ることはできませんでした。現在のチームの状況は?
望月 「2日間共、出だしから拮抗した展開で信州に点差を離されても、すぐに追いつき同点にするシーンが何度もありました。今までは相手のペースになると自分たちのリズムを立て直すことができないこともありましたが、ディフェンスで我慢して自分たちのリズムを取り戻すことができました。この2日間はチームとしての成長を感じる内容だったと思います。しかし、結果がすべてなので、次の西宮戦に向けて切り替えていきたいです」
−西宮とは初対戦になります。どのようなチームだと分析していますか?
望月 「昨シーズンは惜しくもB2降格となってしまいましたが、B2優勝、B1昇格を経てきたチームです。在籍年数が長い選手が多数所属しており、チームワークはとても良いと思います。西宮のスピーディーな展開に飲まれずに立ち向かいたいと思います」
−第17節はどのような企画を用意していますか?
望月 「新成人向けの『20円チケット』のほかにも、懐メロで盛り上がる『Tuesday Night Fever』など、この日ならではのイベントも開催予定です。仕事帰りや学校帰りにぜひ、エスフォルタアリーナ八王子にお越しください」
−2月2日に行われる対島根戦まで、アウェーでの試合が続きます。
望月 「島根戦はホームゲームですが山梨での開催となります。八王子市内での開催は、1カ月先までありません。1月は何としても勝利をつかみ、2月の強豪・島根、広島との対戦に弾みをつけたいです。そのためにも西宮戦はチーム一丸となり、全力で戦いますので会場で熱い声援をお願いします」
−ありがとうございました。
毎回、同チームの選手1人に迫り紹介する「Pick up Player(ピックアップ・プレーヤー)」。今回は背番号5・ウェスリー・ミッター選手に迫る。
アメリカ人の父と日本人の母を持つウェスリー・ミッター。祖父も父もバスケットボール経験者。特に父は有名大学でプレーし、卒業後は子どもたちにバスケットを教えていた。ミッターも父の影響で4歳からバスケットを始める。小さい頃はプロバスケットボール選手を夢見ていたが、現実はそう甘くない。大学卒業後はコーチになろうと思っていたという。180センチのミッターは司令塔としてゲームメークすることやシュートを武器に戦ってきた。その活躍がエージェントの目に留まり、日本のリーグからオファーがきた。夢にも思わなかったが、家族に伝えると飛ぶように喜んでくれた。特に母は故郷、日本からのオファーに感激していたという。そうしてミッターのプロバスケットボール選手人生が始まった。日本での生活。しかも一人暮らしも初めてだ。光熱費の支払いや買い物も自分で行わなければならない。幸い小さい頃から家の中で母は日本語で話し、ミッターは英語で返す、そんな会話をしてきた。そのため日本語を聞くことには慣れており、今では日本語で会話ができるほど日本語が上達した。冒険心も強く、積極的に外へ出て、日本の生活を楽しもうと思っているという。
日本のバスケットについて聞いてみた。「アメリカではガードでも大きい選手がいたが、日本の選手はさほど大きくない。その分、俊敏でディフェンスがとてもハード。でも自分は居心地よくプレーしたいし、アジャストしたい」と語る。「初めてのプロ生活で悩むこともあるけれど、仕事としている以上、自分やチームと向き合って戦っていきたい」とも意気込む。
小さい頃から父は「楽しみながらやれることは全力でやりなさい」と教えてくれた。プロになってもその教えを忘れることなく、バスケットを楽しみたいとミッターは言う。
将来はどんな選手になりたいか聞いてみた。「……とても難しい質問だな」と少し間をおいてこう言った。「I wanna be good team player」
ウェスリー・ミッターの挑戦は今日も続く。
写真提供:© TOKYO HACHIOJI BEETRAINS
【東京八王子ビートレインズ】
2012年春にバスケットボールを通じて八王子のまちおこしを目指そうと「東京八王子トレインズ」として結成。2015年には当時の国内リーグ「日本バスケットボール育成リーグ(NBDL)」に加盟。2016年秋からスタートした男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」では、「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボール(JPBL)」が手掛けるB3リーグに参入した。2017年シーズンは同リーグを優勝で終え、B2・B3リーグ入れ替え戦にも勝利。今シーズンからは「東京八王子ビートレインズ」と名を変え、B2リーグで戦っている。