多摩市が3月1日から、市内の公共施設の電力供給について東京電力から新電力であるエネット(港区)に切り替えるなど広域八王子圏で電力調達の見直しが進んでいる。
電力については、2000年から一部小売りの自由化が進められており、企業や公共施設などで用いられている高圧電力の分野では、東京電力など一般電気事業者の送電網を使って電力供給を行う特定規模電気事業者が参入。経済産業省は3月7日、同事業者の新たな通称を「新電力」と命名、今後作成する資料などで用いると報道された。現在、NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスなどが共同出資するエネットのほか、ダイヤモンドパワー(中央区)、イーレックス(中央区)などが事業展開している
昨年12月には多摩市が市庁舎を含めた市施設の電力について競争入札を行い、エネットと契約したと発表。対象は図書館や小・中学校25校など全46施設で、契約期間は3月1日~来年3月31日まで。1億3,100万円を見込んでいた電気料金を1億2,300万円まで落とせるとしている。
日野市も2月24日、市内の小・中学校全25校についてエネットと契約したと発表。東京電力を含む7社から見積もり合わせを行ったうえで決めたという。こちらも年間で500万円のコストダウンを見込んでおり、その他の公共施設についても効果を見ながら検討を進める予定。
八王子市についても、市内の公共施設への新電力導入を前提として、2月1日に「八王子市電力の調達に係る環境配慮実施方針」を発表。「昨年からの事情もあるので、東京電力にこだわらずなるべく広く事業者を集めたいという思いがある」と環境部の担当者。新年度以降、各施設で対応が進む見込みで、今後も広域八王子圏全体で電力にかかわる見直しが行われると見られる。