八王子駅前のみずき通りに3月18日、一日限定の公園「みずき通りポケットパーク」が出現した。会場は南多摩運送(八日町)の駐車場。
甲州街道(国道20号)沿いの八日町交差点から市の文化施設「いちょうホール」(八王子市本町)がある本町交差点までの間にある同通り。今回は商店会の後押しを受け、建築に関わる企画立案やコンサルティング、ランドスケープなどに関わるロスフィー(横山町)の保(たもつ)さんがイベントを企画・運営した。
ポケットパークは中高層ビル街の中に設けられる小さな公園や休憩所のこと。「震災後の経済や社会の停滞感から、コミュニティーや商業のあり方を見つめ直す必要性を感じた」と保さん。そこで、「小規模でも子どもから大人まで、みんなが寄り合って語らうことのできる日常の場所作りや『まちのフードコート』をみずき通りの若い個店オーナーに提案した」と振り返る。
提案を受け、昨秋の商店会のイベント「秋のみずき通りフェスティバル」の際に実験的に展開。「子どもたちが集まり、親やおばあちゃんたちが見守る風景を作ることができた」。その後、各店の店主が参加して、「みずき通りポケットパークプロジェクト」を結成。小売業を営むグループを共同支援する市の事業「八王子市輝くグループ支援事業」の助成のほか、日清製粉グループのNBCメッシュテック(日野市豊田2)からも協力を受け、今年2月から月1~2回のペースでイベントを行っている。
週末は利用されていないことから借り受けた同駐車場。会場にはテーブルやベンチ、子どもの遊び場となるキッズスペースを用意し、コーヒーなどのドリンク類を販売。その日限りの商品を販売するなど、商店とのコラボも展開した。来場客の中には近くの商店で購入したパンなどを楽しむ人の姿もあったという。保さんは「ポケットパークはコミュニティー広場と商業広場を兼ねている」とし、「継続的にポケットパークを運営していくには、商店会の経済活性化も重要なミッション」と話す。
現在は月1回程度のペースだが、理想は毎日このような場を作ること。「みずき通りは個性あふれる商店会」と保さん。ただ、現在については、「空地や空き店舗もあり商店会の醍醐味(だいごみ)である店の連続性は分断されている」と話す。「空き地をみんなが集まる広場に活用すれば、にぎわいの連続性に変えられるのでは、と考え、『ポケットパーク戦略』としている」と意気込む。