若手デザイナーユニット「TRICKY(トリッキー)」アトリエ1階のギャラリー(八王子市子安町1)で9月17日、多摩美術大学3年の李丞鎭(イ・スンジン)さんによる個展「うんこ展」が開かれた。
同大情報デザイン学科に所属するイさん。昨年は首都高速道路(千代田区)と同大が産学協同で行ったアートイベント「パーキングでアート」へ出展したほか、これまでグループ展などにも参加。個展を開くのは今回が初めてだという。
大学に入ってからアーティスト活動を始めたというイさん。今回の個展について、「美大に通っている身で、立派なアーティストのようなことはできない」としながらも、「都心では受け入れてもらえない実験をやりたかった」と話す。
今回はアート作品を中心とした「芸術的アプローチ」とイラストなどをまとめた「エンターテインメント的アプローチ」の2つの空間を展開。有名人の写真をモチーフにした作品など、小学生のころから現在までに作ってきた約50点の作品を展示した。名称の「うんこ展」は、「どのように呼べば分からない展示。芸術とエンターテインメントがごちゃごちゃに混ぜられて表現される空間」というコンセプトからイメージ。「一般の人が楽しめるように漫画やアニメ、小説などにも手を出している」とイさん。
当日は雨が降る中、18時から2時間にわたって個展を実施。「今回の展示でやりたいことが見えてきた」とイさん。「これからも時代やニーズ、批判などに縛られずに自分と向き合って、ぶれずにやっていきたい」と意気込む。
トリッキーは、2009年春に活動を開始したデザイナーユニット。イベントの企画やリーフレット、ポスター、看板などのデザイン、ホームページの制作などを手掛けるほか、八王子を中心に興味を持った店や場所、人などを紹介するフリーペーパー「idolTRICKY(アイドルトリッキー)」を発行。昨年11月から、アトリエ1階をギャラリーとして貸し出すサービスを始めた。