八王子北口の駅ビル「CELEO(セレオ)八王子 北館」で10月22日、八王子市などが産学連携で展開する子育て支援施設「キドキド×ゆめきっず」が報道陣などに公開された。
6階に展開する同施設。市が運営する「親子つどいの広場 ゆめきっず」と、教育玩具の輸入・開発・販売などを手掛けるボーネルンド(渋谷区)が展開する「あそびのせかい セレオ八王子店」が出店。明星大学(日野市程久保2)教育学部の星山麻木教授もサポートを受けながら、さまざまな取り組みを行っていく。
「親子つどいの広場」は乳幼児の親子が集まり、遊びながら交流を図ることを目的とした施設。現在、八王子市内では堀之内、西八王子など5カ所に展開。今月までビュータワー八王子(八日町)に開設していた「親子つどいの広場 夢きっず」を移転、リニューアルする形で駅ビル内に入った。
「あそびのせかい セレオ八王子店」内には、室内遊び場である「キドキド」と、世界の玩具などを販売する「ボーネルンドショップ」を併設。全国で16店舗を展開する「キドキド」の中でも最大という店舗面積250坪を誇る空間には、ボールで遊ぶことができる「ボールプール」や、ひもをたどって登っていく「ジャングルアイランド」など親子向けのさまざまな遊具を設置。八王子駅から伸びる中央線の線路を眺めながら遊べるジオラマなど土地柄を生かした工夫も盛り込んだ。
出店に当たっては、「ごっこ遊び」ができるスペースをこれまでの店舗と比べて多く展開。「ごっこ遊びは自己表現」したうえで、「子育ての支援を行政がする時には、支援が必要な親子を発見することも一つの機能になると思う。解決すべき課題があるお子さんでも、十分自分を表現ができるようにスペースを増やした」とボーネルンド広報室長の村上さん。「今、敷居が高くなってしまっていて、『公園デビュー』や『井戸端会議』という言葉は死語になってしまっていると聞く。ここなら楽な気持ちで遊ばせに来ることができ、自然な形で出会うこともできる」と利用を呼び掛ける。
明星大学の星山教授は平日、同所に子育てに悩みを抱える親を支える「スペシャルサポーター」を常駐させるなど、市やボーネルンドと協力しながら、さまざまな研究活動などを実践。「病院や教育相談に行ったりするのは敷居が高い」と星山教授。「遊具は洗練されているが、地域のいろいろな人がいて井戸端会議的に相談ができたり、子どもたちが遊んだりできる。そういうものをプログラムとして作っている」と話す。「イメージは昭和の公園」。11月からは子育て支援のワークショップ「親子レインボーパレット」も行っていくほか、早期発達支援のできる教育者養成への活用や学生も絡めたさまざまな研究なども進めていくという。
オープンに先駆けて訪れた石森孝志八王子市長は、子どもたちと触れ合いながら、「八王子は子育てナンバーワンの街を目指しているので、それにかなった形になっていると思う」と評価。子育て支援については、「子育て応援企業事業」など市でもさまざまな取り組みを進めており、「(企業、大学などとの連携は)八王子の資源。子育ての分野でも産学連携を引き続き努力していきたい」と意気込む。
営業時間は、キドキド=10時~19時、ボーネルンドショップ=10時~21時。料金は、子ども=30分まで600円(以降、10分ごとに100円)、大人=300円。八王子市民で事前に利用登録をした3歳未満の子どもと保護者は、1時間半まで「キドキド」を無料で利用できる。