八王子のご当地キャラクター「たき坊」のオリジナルオーデコロン「TAKIBOU FRAIGRANCE CURE SUNSET(たき坊・フレグランス・キュア・サンセット)」が1月から販売されている。
「たき坊」は、少林寺(八王子市滝山町)副住職の大石隆元さんを中心とした「八王子のゆるキャラを作ろう会」が展開するご当地キャラクター。今回は異業種交流会などを通して知り合ったというメグリーズ(町田市)代表で調香師でもある酒井めぐみさんに話を持ち掛け、コラボが実現した。ゆるキャラを題材にしたフレグランスについては「恐らく世界初」とうたう。
「たき坊」に香りを付けたいという大石さんのアイデアと、夏は「たき坊」の汗で匂いがつくため、これを消したいという切実なニーズが重なって生まれた今回のグッズ。香りを付けた理由について、「ほかの皆さんが展開しているグッズと同じものをやっても個性は出てこない」と大石さん。昨年夏には寺で実際に着ぐるみに電解水を吹き付けて消臭実験を行うなど工夫を重ねたという。酒井さんは「匂いを消すことができなければ、香りを付けたくなかった」と振り返る。
8月2日生まれの400歳(人間の年齢では8歳)、戦国時代を生き抜き妖怪化してしまったタヌキなどといった設定を持つ「たき坊」だが、香りの開発に当たってはキャラクターの肉付けをさらに細かく決める必要があったという。「香りにはストーリーがないと伝えられない」と酒井さん。大石さんもこれに対し、物語のプロットをさらに作り込むことで対応。何度もやり取りする中で、具体的な香りのイメージを練り上げていった。「たき坊にまとわせたい香りは何なのか。それは八王子の香りは何かを考えることだった」と大石さん。
今回は中村雨紅が作詞した童謡「夕焼け小焼け」や毎夏の「八王子まつり」でもおなじみとなっている「太陽踊り」などから太陽や森をイメージした香りを開発。オレンジの精油をベースに男女問わず使えるようユニセックスなオーデコロンを作り上げた。パッケージにも八王子と縁の深い北条氏の三つうろこの家紋をデザインするなどこだわる。「キャラクターの使い方は大体決まっているせいか、発表した際には同じゆるキャラ業界からびっくりされた」と大石さん。
商品は、ホームページなどで販売。実際に「たき坊」に吹きかけ、子どもたちなどに抱きついてもらうことで香りを体験してもらう「たき坊と一緒に108ハグ」などの催しも検討しているという。「香りはシールやキーホルダーなどのグッズに吹きかけることで簡単にコラボできる。たき坊の個性を大事にしながら八王子の魅力を伝えていきたい」と大石さん。
価格は4,000円。