八王子駅構内で現在、約80年にわたって列車の運行を支えてきた、車両を回転させるためのターンテーブル「転車台」の解体工事が進められている。
運転中の横浜線などの車内からも見ることができたこの転車台。八高線が開業した1931(昭和6)年3月に完成。桁の延長は約20メートルで、その鉄桁は旧鉄道省時代の1929(昭和4)年に製造されたものだという。1941(昭和16)年ごろに駆動装置が設置されるまでは人力で回転させていたのではないかと推測されており、八王子における鉄道の歴史を80年以上にわたって支えてきた。
2008年に行われた「山梨ディスティネーションキャンペーン」の際には、SL列車「D51-498」を回転。2009年にはJR東日本八王子支社(旭町)が中央線の開業120周年記念イベントとして、「八王子総合訓練センターと八王子駅転車台見学の旅」を開催し、通常はっきりと見ることができない転車台を眺めることができるとして好評を博した。
転車台の解体工事は1月に開始。大型のクレーン車を設置するなどして撤去作業を進めてきた。作業風景は横浜線のほか中央線快速電車の車内からも眺めることができた。2月20日時点では鉄桁の撤去は既に終わっており、桁を回す穴の中にショベルカーが入って作業が続けられている。
今回の工事を受け、ネットでは「悲報」「寂しい感じがする」「保存されると思っていた」など残念に感じる鉄道ファンの声も多く聞かれた。