八王子駅北口の西放射線通り商店街(ユーロード)で3月30日、地元有志による東日本大震災の復興支援イベント「東北復興グランプリ」が行われる。
震災の風化防止と被災地の応援を目的に、今回初めて行われる同イベント。多摩地区に広がる曹洞(そうとう)宗の寺の僧侶による「一歩の会」のメンバー有志が集い、実行委員会を立ち上げて準備を進めてきた。
今回はユーロードの通路約100メートルを使って、14のブースを展開。岩手・宮城・福島の東北3県から特産品などを集めて紹介・販売する。当日は今月10日に仙台で行われた「炊き出しグランプリ」出場チームによる実演販売やホタテ、イカ、サザエなど海産物や、笹(ささ)かまぼこ、タコの空揚げ、浪江焼きそばなどのご当地グルメが数多く登場。被災地の現状を紹介する写真展、子ども向けイベントとしてエコ発電体験などの催しも予定する。
震災以降、被災地に入ってボランティア活動を進めてきた同会。現地での活動を通して、八王子でも復興支援活動ができないかと思うようになったという。「ボランティアに行きたくても行けない方、遠く離れているということもあり、少しずつ記憶が薄れていく方、さまざまいらっしゃる」と実行委員の細川さん。「東北のグルメや物産品を直接被災地の方から購入することで、皆さんの気持ちに訴えかけられるようなイベントにしたい」と話す。
イベントに向け、復興屋台村や商店街、行政などを巡って自ら交渉。震災を風化させたくないという思いや八王子で復興支援をしたいという気持ちを、「そのまま被災地の方々にお話した」と細川さん。納得するまで話を重ね、ようやく実現に至ったという。「被災地から来ていただく出店者の方々も、八王子やいろいろな所から来ていただく来場者の方々も、多くのボランティアスタッフも、開催に向けて頑張っている主催者スタッフも、みんな満足してもらえるようなイベントになれば」と期待を込める。
イベントに合わせ、被災地に向けて鎮魂の祈りを込めたメッセージを送る「メッセージキャンドル」のワークショップも開催。「私たちの本職はお坊さんなので、追悼の意味を込めたブースも作ることにした」と細川さん。集めたメッセージは4月8日に高乗寺(八王子市初沢町)で供養する予定で、「八王子から被災地に思いが届くように御供養する」という。
開催時間は10時~17時。