伊藤忠都市開発(港区赤坂)は10月15日、東京ガス(港区海岸)、TOTO(福岡県北九州市)と共同で開発した、浴室と同等の防水性能を持つ部屋「flex-M(フレックス・エム)」を今秋発売のマンション「クレヴィア京王堀之内パークナード」(八王子市別所2)に導入すると発表した。同社によると、この設備の導入は国内初だという。
同社は2006年5月、新築住宅における浴室空間の差別化を目的に、浴室関連の開発経験が豊富な東京ガス、TOTOの2社に協力を依頼し、共同の研究会を発足。浴室空間は体を洗う場所だけでなく、美容や健康、癒しやリフレッシュなどの多様な利用ニーズに答えるための場所でもあるとした上で、リビング、ダイニング、洗面室、浴室、そして、バルコニーの間を空間連続的につなぐものをと、部屋の開発に着手した。
フレックス・エムには東京ガスが提供する家庭用ミストサウナ「MiSTY(ミスティ)」が装備されており、加えて、部屋全体に浴室と同程度の防水加工が施されている。部屋はリビングやダイニング、洗面室や浴室、バルコニーなどと接するように配置されており、ホームページ上ではその使い方として24のパターンが示されている。同社によると、「TOTOは既存バスユニットの防水連結の技術開発、東京ガスはMiSTY2台同時稼働の技術開発、弊社は多彩な生活導線を持つ可変プランの設計開発を各々分担」したという。
部屋は今秋発売が開始され、2009年9月末竣工予定のマンション「クレヴィア京王堀之内パークナード」のうち、東南角の住戸となる12戸にのみ採用される予定。標準的な部屋のプランに付け加えるパターンとして用意される。同社広報室の小泉さんによると、全戸導入でないのは、「生活導線やバルコニーに出られるかどうかなどを検討した結果」だという。
今後の展開については「2~3年のうちに100戸導入を目指したい」(同)と話す。