八王子市は6月3日、市内にある圏央道・八王子西インターチェンジ(IC)のフル化に向け、「スマートインターチェンジ方式」を採用した独自案を発表した。
同案は石森孝志市長が定例記者会見で明らかにしたもの。同ICは、圏央道・あきる野ICと中央道と連絡する八王子ジャンクションの途中にあるが、2007年6月の開通以来、中央道方面からの出口と同方面への入口のみというハーフインターチェンジのため、利便性に課題を抱えている。
今回は関越道方面へのアクセス機能を高めるため、高速道路の出口である「オフランプ」を増設。周辺にある市道川口339号線を入口である「オンランプ」として利用し、ETCでのみ入れる「スマートインターチェンジ」を設置する。これにより、埼玉県などへの交通の改善が図れる見込み。「八王子は埼玉県川越市と『災害時相互応援協定』を結んでおり、東日本大震災以降、なんとかならないかと考えていた」と市交通政策室担当者。「このインターチェンジは、その入口になる」と期待を込める。
事業費は約17億円で、市では国土交通大臣宛てに圏央道への市道連結許可申請を5月17日付で提出。「連結許可が決定し次第、市は国土交通省、東京都、中日本高速道路と連携を図りながら、2015年度中の供用を目指して準備を進めていく」と説明する。許可については、「昨日、市長が(国土交通省の)副大臣とお会いして、近々連絡を頂けるとのお話があった」とも。
現在同ICがハーフである理由については、「八王子の北部にある砕石場から都心に向かう交通量を処理する必要があったし、当時は圏央道や周辺の整備もここまでできていなかったこともあって、ハーフで進められてきた」と担当者。
市ではその後、関越道、東北道、常磐道などへアクセスできるようフルインターチェンジ化を計画。今年1月には、「(仮称)八王子西スマートインターチェンジ地区協議会」を立ち上げ、実施計画書を取りまとめるなど準備を進めていた。