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都電好き女子学生、アプリ「とでんさんぽ」開発-首都大生、卒業研究で

「とでんさんぽ」を開発した首都大学東京4年の野澤万里江さん

「とでんさんぽ」を開発した首都大学東京4年の野澤万里江さん

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 首都大学東京(日野キャンパス=日野市旭ケ丘)の学生が開発したiOS向けアプリ「とでんさんぽ」が注目を集めている。

卒業研究発表会で「とでんさんぽ」を紹介する野澤さん

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 アプリは同大システムデザイン学部4年の野澤万里江さんが卒業研究の一環で開発したもの。都が運営する路面電車をきっかけに東京の歴史を振り返ってもらおうと、廃線となった路線も含めて、街の風景を写した写真を地図上にプロットし紹介。現地でアプリを起動すると、拡張現実(AR)を活用して近くにある名所を紹介する機能なども搭載する。

 これまで都内にある大学の学食を紹介するアプリ「ガクメシ」や、同大渡邉英徳研究室が手掛け、グッドデザイン賞の「復興デザイン賞」を昨年受賞した「東日本大震災アーカイブ」などの制作に携わってきたという野澤さん。今回、卒業研究の題材として都電を選んだことについて、「地元に都電が走っており、『何、この電車』と入学前から特別な感情を抱いていた」と野澤さん。都電の車両とパンタグラフをモチーフに「TODEN FONT」を作り、これを使ったエコバッグも作るなど都電好きが高じた今回の研究。「人々が街に愛着を持つきっかけになるものとして、普段の日常をアーカイブするようなものを作ってみようと思った」と話す。

 アプリに先行する形で、大学3年のころから都電の走っていたころの風景を「Google Earth」上に表現するサイト「ハロー、とでんちゃん!」の開発を開始。アプリに取り組み始めたのは4年に進級した昨春からだという。「都電の今と昔を歩きながら振り返ることができるようなものを作りたかった」と野澤さん。アイコンに今はなき「都電6000形」車両を模したキャラクターを採用するなど随所にこだわりを入れながらも、鉄道ファン以外のユーザーにも使ってもらえるようデザインなどで工夫していったという。

 昨年12月中旬からアプリを公開したところ、1カ月余りで250ダウンロードを達成。「ちょっと自信がついた」と野澤さん。「ハロー、とでんちゃん!」に触発されたという神奈川県横浜市の有志が同様のことを横浜でもやろうと「しでんちゃん横浜プロジェクト」を立ち上げるなど思わぬ波及効果も生まれており、「人同士をつなげるという活動にもなっているのでは」と話す。

 1月下旬には学内の研究発表会を終え、今春の卒業を目前とする野澤さん。「これで都電の魅力が広まって、都内にライトレールが走るようになるといい」と夢を語る。

 アプリはiOS 5.0以降に対応。無料。

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