八王子のコーヒー店「珈琲倶楽部 田」(八王子市横山町、TEL 042-646-6932)が6月中旬から、アイスコーヒーを瓶詰めにしたオリジナル商品「炭火焙煎アイス珈琲スペシャル(瓶)」の販売を始めた。
コーヒー豆3種類をブレンドし、瓶詰め用のオリジナルアイスコーヒーを開発した、店主の永塚さんは「当店のコーヒー豆は炭火で焙煎しており、コクと深みが最大の特徴。その特長を生かしたものをと思い、苦みとコーヒー豆から出る甘みを出すアイスコーヒーを作った」と話す。味をストレートに楽しんでもらいたいと無糖にし、プレゼントにも利用してもらえるよう瓶詰めにするなど工夫を見せる。
店ではブラジルのコーヒー豆「サントス ニブラ」を使い、ハンドドリップで提供。氷を入れたグラスとコーヒーを入れた容器を別々に出し、客が自分のペースで注いで飲めるようにするなどこだわりを持ってアイスコーヒーを出している。テークアウトのニーズも高く、「自宅で楽しみたいという声を多くいただいていた」と永塚さん。
客からのリクエストを受け商品化に向けた研究を始めたが開発は難航。紙パックやペットボトルでの商品化も考えたが、ギフト利用を考えた時にはイメージがあまり良くないこともあり、「アイスコーヒーを適当な容器に入れて販売できない事にジレンマを抱いた」という。
それだけでなく、「工場で製造することになるので一度に量を作ると味わいがどうも安定しなかった」と永塚さん。一度は商品化をあきらめかけたが、店舗で出しているアイスコーヒーとはまた違う新たな味わいを作ろうと方向を転換。「正直、その考えに至るまでの切り替えが大変だった」と振り返る。
リピーターを中心に好評で、ギフト向けに2本入りの「アイス珈琲スペシャルギフト」(1,450円)も用意するほか、今回開発したブレンド豆(100グラム=648円)も販売。「コーヒーは苦いだけではなく、その中にコーヒー本来の甘味もある。その点を感じていただければ」と永塚さん。「これからの暑いシーズン、瓶を直接冷やしてお持ちいただいても良いが、魔法瓶に入れて高尾山などの山頂で飲んでいただくと、さらにおいしさを体感していただけるかも」と話す。
コーヒー専門店として知られ、店でのコーヒーの提供だけでなく、豆の販売や「八王子の生姜はちみつかりんとう」をはじめとしたオリジナルギフトも扱う同店。1983(昭和58)年にオープンし、昨年、創業30周年を迎えた。八王子駅近くの国道20号(甲州街道)沿いにある本店と共に、八王子北口の駅ビル「CELEO(セレオ)八王子 北館」(旭町)地下1階に出店する「CELEO八王子店」の2店舗体制。
価格は1本360ミリリットル=540円。両店のほか、オンラインストアでも販売。