音響機器メーカーのティアック（多摩市落合）は10月上旬、無線LAN接続対応のリニアPCMレコーダー「DR-22WL」「DR-44WL」の2機種を発売、スマートフォン向けの無料アプリ「TASCAM DR CONTROL」の配布を始める。

1台でマルチトラック録音もできる「DR-44WL」

　無線LANを活用して遠隔地から録音操作や音声ファイルの試聴などが可能となる両機種。「DR-22WL」は幅＝約5.2センチ、高さ＝約15.5センチ、奥行き＝約3.7センチ、重さ＝170グラムで、「使いやすいユーザーインターフェースを追求したシンプルなモデル」と同社広報担当者。

　本体は単3型乾電池2本で駆動し、管弦楽器やピアノ、ギターなど「アコースティック楽器を中心とした音楽録音に最適」としたうえで、「デジタル一眼レフカメラの動画撮影用レコーダーやインタビューの録音など、音楽以外の用途でも活用いただける」とも。

　上位機種の「DR-44WL」は、幅＝約7.9センチ、高さ＝約16.2センチ、奥行き＝約4.3センチで、重さは346グラム。物理的なノイズを軽減するショックマウント構造を採用するほか、マルチトラック録音が可能な「MTRモード」を備えており、外部マイク、外部入力などと併用して4トラックまで個別に録音できる。「ミュージシャンのコンサート録音から音楽制作まで幅広い用途に対応している」と担当者。

　iOSとAndroid端末向けに提供されるアプリ「TASCAM DR CONTROL」を使うことで、本体を遠隔操作できるのが両機種の特長の1つ。再生、録音などの操作のほか、メーター表示や設定の変更なども行うことができ、手を触れずに本格的なレコーディングを楽しむことが可能になる。アプリは音楽ファイル共有サービス「SoundCloud」と連携。録音した音声ファイルを無線LAN経由で転送し、そのままネット上に公開することもできるという。「SoundCloudはフェイスブック等SNSサービスとも親和性が高く、ライブ終演後すぐにフェイスブックのタイムラインに音源を表示させることも可能」とうたう。

　放送機器など業務用音響ブランドとして同社が展開する「TASCAM」ブランドで取り扱う。両機種とも価格はオープン。