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まんが王八王子店、30年の歴史に幕 オンラインに特化し「2.8次元本屋」目指す

4月30日で閉店することになった「まんが王八王子店」の店内

4月30日で閉店することになった「まんが王八王子店」の店内

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 コミックスやグッズなどを扱う漫画専門店「まんが王八王子店」(八王子市東町、TEL 042-645-9121)が4月30日、閉店する。

店の壁には閉店を知らせる張り紙が出されている

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 1985(昭和60)年5月にオープンした同店。漫画専門店として親しまれたほか、2011年にはカワハラ恋さんの4コマ漫画「東京!」とコラボしたオリジナルどら焼き「『八王子』たまちゃんどら焼き」を販売するなど地元・八王子とのコラボでも知られている。

 今回はオンライン店舗「まんが王倶楽部」「まんが王Yahoo!店」に経営資源を集中するため閉店を決めた。1990年代にはパソコン通信を使った「ニフティー店」を立ち上げ、独自の電子書籍販売サイト「デジタルまんが王」も展開するなどオンラインの展開を積極的に進めてきた同店。今回の閉店について、同店の日吉さんは「今風に言うとダウンサイジング。新たに出発することで小回りが利くようにする」と話す。

 今後は「2.8次元の本屋」をキーワードにオンライン店舗の充実を図る。「本屋の魅力は来店した時に新しい本と出会えること。平台があって、新刊コーナーがあってと、われわれが店でやっているようなことができるネット書店が作れないかと模索している」と日吉さん。専門店であることを生かすことで、「そのサイトに行くと、本屋に行く気分になれるものをつくりたい。隙間産業かもしれないが、その間隙(かんげき)を突ける部分は存在していると思うので、そこに向かって発信していくことで八王子店に近い書店をつくりたい」と意気込む。

 閉店後は通販部門があるビル8階のフロアで店頭受取を行うことで対面サービスも維持する考え。「『そういうシステムがあるなら買いに行く』という人が1人でもいる限りは、その人のために開けておこうという気持ちはある。会社帰りなどに寄ってもらえれば」とも。

 4月1日にツイッター上で閉店について発表された際には、利用者だけでなく、犬上すくねさんや目黒三吉さんら多くの漫画家からもコメントが寄せられるなど大きな話題となった。「ひっそりと終わっていくと思っていたので、作家の皆さんを含め、ここまで反応があるとは思わなかった。いろいろな方に応援してもらっていたので、『ありがとうございます』としか言いようがないが、何かしら恩返しができれば」と日吉さん。

 これまでを振り返りながら、「働いて20年以上たつが、当時、中学校の制服で来てくれていた人が、今も背広で来てくれるのがとてもありがたい。閉店ということで期待に応えられなかったのは申し訳ないが、店の雰囲気を通販に持って行きたいと思っているので、これからも利用してほしい」と呼び掛ける。

 営業時間は10時~22時。

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