東京・日野市内の酒店やスーパーなどで7月26日から、「多摩地域最古のビール」をうたい復刻されたご当地ビール「TOYODA BEER(豊田ビール)」の販売が始まる。
「多摩地域最古」とも呼ばれるビール工場があった日野市豊田地区。1886(明治19)年から少なくとも1894(明治27)年ごろまでの間、ビールが造られていたとされており、今回は当時のラベルを復刻したビールを作り上げた。
2013年度に発掘調査などを行い、貯蔵所の跡やビールラベル、ビール瓶に転用されたと見られるワイン瓶の破片などが見つかったことをきっかけに、地域の活性化などを目指して日野市が復刻プロジェクトを立ち上げ。今年2月には実行委員会を結成し、産官学などを巻き込んで、「TOYODA BEER」の復刻に向けた動きを進めてきた。
「造れていたのは10年ほど。当時のビールは残っていないため、まずはラベルから復刻することにした」と市産業振興課の担当者。「製造法については、明治時代はドイツの醸造法が取られていたことから、ドイツのラガービールの製造法を採用した」と話す。
初回ロットとして、9000本を生産。瓶ビールとして日野市内の酒店や、イオン多摩平の森店(日野市多摩平2)や京王ストア高幡店(高幡)などの大手スーパー、コンビニ、飲食店など47店舗で販売することにしており、今後の増産も見込む。
発売当日は、JR豊田駅前などを会場に行われるイベント「ひのよさこい祭」に合わせ、イオンモール多摩平の森(多摩平4)玄関前にブースを出展し販売する予定。「生ビールで飲める唯一の機会になるかも」と呼び掛ける。
価格は1本500円。