富士森公園(八王子市台町)をメイン会場に10月15日まで行われている「全国都市緑化はちおうじフェア」の公式グッズ販売コーナーで「元祖はちおうじ町工場ガチャ」が販売されている。
刺しゅう加工のユーエス(叶谷町)、植毛加工の伸栄プラスチック(下恩方町)、板金加工の岩沢プレス工業(下恩方町)、精密加工の小池製作所(下恩方町)、塗装加工の巧塗装(大楽寺町)の5社が協業し作った同製品。「MADE IN 八王子」をうたい、カプセルの中に植毛と刺しゅうが施された庭、板金で作られエージング塗装がされたプランター台、指の上に乗るサイズの植木鉢と花のいずれかを同梱(どうこん)する。
3つを組み合わせることで小さな庭ができるよう工夫。庭はドリンクのコースター、プランター台は名刺スタンド、花はワッペンとして服に着けることもできる。対象年齢は「大人に知ってもらいたい」と18歳以上に設定。説明書には八王子の町工場の技術力の紹介や、開発した5人の顔が見えるよう集合写真も掲載した。
地域活性化に向けた異業種交流団体「Hachioji Future Association(HFA)」のメンバーがコラボ。「全国都市緑化はちおうじフェア」を目指して昨冬に企画がスタートしたという。ユーエスで企画営業を手掛ける内田公佑さんは「何かのおまけじゃない、自分たちが前に出るような物を作りたいというところから始まった。それぞれが活躍しながら何か作りたかった」と振り返る。
製品開発に向けて動き始めたのは今春から。当初は企業ごとに商品を作る予定だったが、途中から協働で1つの商品を作り上げるスタイルに変えたという。「緑化に関連付けて何ができるかとイメージを膨らませていった。羽田空港で売っているものを見に行ったりしながらカプセルトイは面白そうだとなった」と伸栄プラスチックの近藤学さん。巧塗装の中本裕司社長は「自分の可能性を見つけに行くため、普段われわれが作らないものでも製品として出せるということでカプセルトイは面白いと思った」と話す。
試作を繰り返し、特にプランター台については「3つ集まったときのバランスも考えて長さや幅を微調整した」と岩沢プレス工業の岩澤旭社長。小池製作所の小池孝広さんも「3つをそろえたときのサイズ感が一番難しかった」と話す。そのほか、コースターの芝生様の色味や、プランター台はスクラップの端材を使いながらも人が上に乗っても大丈夫なほどの強度を出すなど各企業が技術力を生かして開発したという。
「好評との話を聞くのですごくうれしい。すぐに再生産をかけることは予想していなかったので、カプセル待ちになるほど。それもうれしい。『元祖はちおうじ町工場』というブランドを作ったので、今後、そういう商品をいろんな人と作れたらいい」と内田さん。当初は「全国都市緑化はちおうじフェア」のみの販売としていたが、今月29日に行われる「はちおうじハロウィン2017」でも販売を行う予定だという。
価格は1個500円。