八王子で洋品店「イツミヤ」(八王子市八幡町)を営む中野智行さんが11月1日、自ら登場人物を演じ、映画の予告編を模して作った動画「大久保長安(ながやす)評判記 舞うが如く」をユーチューブに公開した。
中野さんが1人で7役を演じた「大久保長安評判記 舞うが如く」
武田信玄、徳川家康に重用され、徳川幕府時代には勘定奉行、老中を務めた大久保長安。家康から八王子のまちづくりを任されたほか、「八王子千人同心」の統括にも当たるなど八王子との関わりも深い。市内には屋敷跡「大久保石見守長安陣屋跡」(小門町)も残されている。
公開された動画は中野さんが大久保長安に加え、伊達政宗、武田信玄、織田信長、徳川家康ら7人の登場人物を顔の表情を変えて表現。「群雄割拠の戦国時代、芸人上がりの小役人が剣を持たずに天下を取った」などのナレーションに加え、実在しない「第50回八幡上町映画祭グランプリ」を受賞したことや既に閉店している映画館「八光館」でのロードショーをうたうなど、さまざまなパロディー要素も盛り込まれている。
陣屋跡から約1分の場所に店を構え、商店街のプロモーション活動の一環として大久保長安を紹介する活動も行ってきた中野さん。今回、大久保長安を有名にしたいという一心で自ら動画を作り上げたという。
「ここにしかないオリジナルの観光資源だからと頑張ってきた。やり方を変えて個人的にやってみようと思い、ユーチューブで何かできないかと試していたらこうなった。少しでも興味を持っていただければ」。自分1人で演じることになったのは「誰も付き合ってくれなかったから。写真を撮って加工をしてと企画から完成まで1時間くらい」と話す。
大久保長安にまつわるエピソードを物語にし、2~3分にまとめた「人に話したくなる長安のちょっと良い話」と題した動画のシリーズも始めた。「長安は悪者とされてしまいがちだが、それを払拭(ふっしょく)したいという思いもある。その思いが熱く沸騰しすぎてしまったのかも。本当はいいこともやっているのにそこには全然スポットライトが当てられていないので、それを何とか発信したい」と意気込む。