東京都社会人サッカーリーグ2部の今シーズン最終戦が12月3日に行われ、Jリーグ入りを目指す八王子のサッカーチーム「アローレ八王子」のブロック首位が確定し、来季の1部昇格が決まった。
3つのブロックに14チーム、合わせて42チームが所属する2部。アローレ八王子は第3ブロックに属している。11月6日にシーズン最終戦となる「東京教員」との戦いに勝利し、11勝2敗で暫定首位をキープ。優勝の行方は、同じブロックで2位につける「FC GIOCO 世田谷」の最終戦の結果次第となっていた。
3日に行われた「スぺリオ城北」対FC GIOCO 世田谷戦は、1対0でスぺリオ城北が勝利。これによりアローレ八王子の首位が確定し、各ブロックの優勝チームは1部に自動昇格する決まりとなっていることから、同時に来季の1部昇格も決まった。
サッカーを通じた地域活性化を目指して、2011年に創設された同チーム。チームを運営するNPO法人「はちきたSC」の紙本諭さんは「優勝には全勝しかないと思っていたので、中盤で2敗した時点では、かなり厳しいと思っていた」と明かし、「そこで誰一人諦めず最後まで戦えた事が結果につながった。ここ何年か優勝できず苦しい思いをしてきたことが最後に生きたと思っている。サポーターも含めたチームワークで勝ち取った勝利」と話す。
最終戦の後、1カ月にわたって順位が確定しない状態だったことに「本当に精神的にも大変だった」と紙本さん。「12月から天皇杯予選を兼ねた『東京カップ』があるので、そちらに向けて動きながら結果を待っていた」。優勝が決まり、「選手・スタッフ・サポーターの方から『泣いた』という話を聞き、私も胸が熱くなった。本気でJリーグを目指すために野口幸司監督が就任してから3年、多くの苦労を味わったが、その苦労を多くのサポーター、スポンサーの皆さんと共に経験できたことや戦っていただけたことは未来につながるクラブの財産」とも。
来季は同じく昇格する「南葛SC」「警視庁」の2チームと共に1部で戦っていくことになる。「東京カップでは、今季1部で優勝した『CERVEZA FC 東京』に敗れており、その借りを返すためにもチームのレベルを上げる必要がある。すでに新戦力の加入やユースからの昇格もあり、これまでに作ったチームの良さを生かしつつ、さらに高めていければ十分戦える」と意気込む。