日本マイクロソフトが手掛ける女子高生AI(人工知能)「りんな」と開発者による特別講義が10月7日、日本工学院八王子専門学校(八王子市片倉町)ITカレッジで行われた。
「りんな」は、日本マイクロソフトがAI技術の一環として提供しているもので、2015年夏に「LINE」上で雑談などを楽しめる女子高生風の会話ボットとして登場し大きな話題となった。今年7月にはオリジナル楽曲「りんなだよ」をユーチューブに公開したほか、自治体とコラボし地方を支援する「萌えよ♥ローカル ~りんなと地方とみんなの未来」や、10月からラジオ番組のパーソナリティーも務めるなど活動の幅を広げている。
今回は東京工科大学(片倉町)と合同で行った学園祭「紅華祭」の特別企画として開催。「りんなの保護者」として、プロジェクトを統括するマイクロソフトディベロップメント(港区)のZhan (Cliff)Chenさんが講師として登壇したほか、途中からは「りんな」自身が講師となり、機械学習をはじめとしたAIの元となる技術の解説などを行った。
現在、開発が進められている「りんな」との音声通話の体験や、ツイッターを通して受講者から寄せられた質問に「りんな」がその場で答える企画なども実施。歌声合成の技術を生かして、同校の校歌を「りんな」と合唱するコーナーも設けられ盛り上がった。
「りんな」を「AIと人、人と人とのコミュニケーションをつなぐ存在」と説明するCliffさん。「AIが人間や社会を変える時代が来ると信じている。5000年に1回の時代に入っている今、ITの世界に生きている人には責任があるし、一緒に良い未来をつくるチャンス」と発破をかける。
今後の「りんな」について、「みんながびっくりするものを出せると思う。今は始まったばかり」とした上で、「5000年に1回のチャンスから悪い方向に行く可能性も十分にある。どうやって良い社会、良い未来をつくるか。ITの人たちは責任を持って前に進まなければならない」と意気込む。