新選組の副長を務めた土方歳三の没後150年を記念した宅配用段ボール箱が3月15日から、日野市内の郵便局などで配布されたものの、人気ですぐさま配布が終了する事態となった。
武蔵国多摩郡石田村(現在の日野市石田)で生まれたとされる土方歳三。1869(明治2)年、戊辰(ぼしん)戦争の最後の戦いである箱館戦争を受けて戦死したとされ、今年でちょうど150年になる。
これを受け、日野市は「土方歳三没後150年ロゴマーク」を作成するなどシティープロモーションに活用。最期を悟った土方は隊士に自らの写真などを故郷である日野に届けさせたことで知られており、今回、市はそのストーリーを市民などに知ってもらおうと段ボール箱を2500個製作した。
シティープロモーションの一環として段ボールを活用したのは今回が初めて。市シティセールス推進課の中沢智道さんは「150年がたち日野から全国の皆さんに思いを届けていただく一つのアイテムとして作った」と話す。「日野と歳三のつながりを知っていただけるようにデザインした」とも。
市内の郵便局などで無償で配布したところ、ところによっては配布開始当日になくなるほどの人気に。「(配布を始めたのが)金曜日で、月曜日に状況をお伺いしたらなくなっていたところもあった」と中沢さん。「SNSでも話題になり人気が出たとは思っていたが、ここまでは予想外。まさかと思った」。問い合わせは全国から寄せられ、中には「『段ボールを段ボールに入れて送ってもらえないか』との問い合わせもいただいた」と話す。現時点で再配布の予定はないという。
4月20日から新選組のふるさと歴史館(日野市神明4)で後半生の土方にフォーカスを当てる特別展「土方歳三 -史料から見たその実像-」を始めるほか、5月には観世流の能楽師である山中●晶(がしょう、●は「牙」にしんにょう)さんによる土方をテーマにした新作能「BLUE BLOOD」の披露も予定。5月11日・12日には今年で22回目を迎える「ひの新選組まつり」を開催するなど今後も土方に関するさまざま施策を行っていく。
中沢さんは「一連のプロモーションを通して土方歳三の人気がすごいことを改めて認識させていただいた。土方や新選組を知っている方は多いと思うが、それが日野と結びつく人はなかなかいない。こういった展示や祭りなどをきっかけに日野に来ていただけるといい」とアピールする。